第44章 *終曲スカラビア*
道中、ジャミルの体を気遣って(?)アズールが頼っていいと持ちかけるが、完全に裏のある笑顔にジャミルはキッパリと断り、ついでに軽口で返すというやりとりが行われ、それを見ていたカリムは二人が仲良しになったと勘違いするという光景も見られた
そんなことがありながら、パレードは東のオアシスへと到着した
スカラビア寮・東のオアシス
そこは相変わらずオアシスとは名ばかりの干上がった平地だったが、カリムのユニーク魔法ですぐに大きな池を作り、その間に寮生たちは積んできた食料を広げたり飾りつけをしたりと、オアシスは段々と華やかな装いに変化していった
カリム『さあ、宴の準備は整った。みんな好きなだけ食って、歌って、踊って、今年の嫌なこと全部忘れちまおう!』
そう言って隣に立っていたジャミルの手を引くと、音楽に合わせて踊り出した。最初は嫌がる素振りを見せていたジャミルだったが、元々踊りが好きなこともあって、次第に自らステップを踏み始めた
『二人とも上手だね..ヘビさん、キレイ..』
指の先まで洗礼された動きでしなやかに舞うジャミルに、レイラはうっとりと魅了された
楽しそうな雰囲気に影響されたフロイドが混じり、宴は更に盛り上がりを見せる。周りの寮生たちもご馳走を片手に談笑し、踊り、歌い、誰もが楽しそうに宴を満喫していた
?『...~ぃ!ぉ~ぃ..』
『ん?何か聞こえるよ..』
ユウ『え、どこから?』
『向こう..砂漠の向こう』
突然こちらを呼ぶ声にピンっと耳を立て、声のする砂漠の果てを見つめると、二つの人影がこちらへと走ってくるのが見えてきた
『ぁ..あれって..』
エース『お~い、ユウ~!レイラ~!グリム~!』
デュース『お前たち、無事か!?』
片手を大きく振りながら息を切らして駆けてきたのは、ホリデーで学校にはいないはずのエースとデュースだった
グリム『エースに、デュース!?』
エース『はあ、はあ..なにここ、めっちゃ熱い、真夏かよ!』
ユウ『二人ともどうしたの?』