第44章 *終曲スカラビア*
スカラビア寮・空き室
散らかった談話室を片付け終わると、オーバーブロットの影響も考えてジャミルや彼に操られた寮生たちを休ませるために、いつもより早い時間に就寝することになったユウたちは空き室へと戻っていた
フロイド『はぁ~~つっかれたぁ..』
ジェイド『今日はいつも以上に魔法の使用量が多かったですからね。疲労も溜まっているでしょうし、ぐっすり眠れそうです』
アズール『何より今日一番の功労者はレイラさん、貴女です。あの氷魔法の発動、よく頑張りましたね』
『ありがと。黒ウサギの力を使わなかったからかな?いつもより体が重くない。ちょっと疲れたけど』
アズール『慣れない魔法ですからね、仕方のないことです。さあ、疲れをとるためにも今日はもう休んでください』
そう言ってレイラをベッドに誘導すると、そっと体を倒して寝かせる
フロイド『じゃあ今日はオレがクリオネちゃんの横ね』
アズール『仕方ありませんね、今日は許しましょう』
ジェイド『間違っても締めてはいけませんよ』
分かってるし、と口を尖らせた後フロイドはレイラに長い腕に閉じ込め、その勢いのまま唇にキスをした
『『『あ"っ!!??』』』
『ん..おやすみのキス?』
フロイド『そ。おやすみのチューだよ』
念願の添い寝に気分が上がっているのか、フロイドの見つめる視線はいつもよりも優しく細められ、髪を鋤きながら額にもキスをする
するとそれに些か機嫌を悪くした他のメンバーがこぞって後追いするようにキスを贈ると、レイラは幸せそうに笑い、フロイドの胸に顔を埋めて眠り始めた
フロイド『クリオネちゃん可愛い~♪』
アズール『さて、僕らも寝ましょうか。明日からも色々あるでしょうし』
ユウ『そうですね。じゃあみなさん、今日はお疲れさまでした。おやすみなさい』
そうしてユウたちも今日の疲れが影響したのか、すぐに深い眠りへとつき、空き室に穏やかな夜が訪れた
誰もが眠りに静まったスカラビア寮に、小さな影が1つ。それは、空き室を出ると廊下を抜け、談話室の方へとかけていき辺りをスンスンと嗅ぎ回る
グリム『あった..あったぞぉ..くくく..ひひひ..』