第44章 *終曲スカラビア*
ジャミルの偽りない言葉が静かな談話室中に響き渡り、カリムは予想もしていなかった言葉にポカンと口を開けた
カリム『えっ』
グリム『えええ~~!!??』
ジャミル『考えなしで大雑把、間抜けで不器用、超がつくほど能天気で傲慢、デリカシーゼロのボンボンが!!そんなやつと誰が好き好んで友達になんかなるか!利害関係がないなら、お前とは一ミリたりとも関わり合いたくないね!』
カリム『え、えぇ~~~~!?なんだよそれぇえ!?』
グリム『なんか吹っ切れちまったのか、ズバズバキツイこと言いまくりなんだゾ』
ユウ『本当はあんな性格だったんだ』
アズール『いいじゃありませんか。僕は今のジャミルさんの方が好感が持てますよ』
ジャミル『なんだ?ニヤニヤして気持ち悪い』
アズール『実は僕、1年生の頃からずっと貴方の事が気になっていたんです』
ジャミル『はあ?』
アズール『ジャミルさんは普段から余りにも目立たなすぎてーーー逆に浮いた生徒でしたから。貴方は座学の成績も、実技の成績も、これといって優れた成績を残しません。同時に..どの授業でも、絶対にマイナス評価も残さない』
『評価のオール5もわざと取ってた..?』
アズール『ええ、そういう印象でした。ずっと何かがあるに違いないと思っていましたが..今回ユウさんたちから話を聞いてピンときたんです』
ジェイド『なるほど、アズールだって魔法薬学の成績は学年トップレベルですが、飛行術の成績は下から数えた方が早いですからね』
ニコニコと軽い毒をはくジェイドを横目で睨みつつ話を続けるアズールを尻目に、レイラはジェイドに近寄りコソッと耳元で尋ねる
『え、アズさん飛行術苦手なの?』
ジェイド『はい。アズールもそうですが僕らも少し..何故なら僕らは知っての通り人魚ですから、陸でも苦労したんですが空は余計に..』
『そっか..なんかギャップがあっていいね。みんな苦手なものあるもんね。ジェイさんたちのことまた1つ知れて嬉しい..』
ジェイド『そう言っていただけるとありがたいです』