第43章 *空漠オーバーロード*

カリム『そうか..レイラのその氷魔法が上手くいけばジャミルを元に戻せるかもしれないんだな』


ユウ『でもあれが成功したのは一度だけ..』


『ん..でも今ならできる気がする。それに、もう黒ウサギを使いたくない。大切な人たちが悲しむから..』


ユウ『..そっか。よし、やろう』


フロイド『オレらは何すりゃいいわけ？アズールの時みたいにクリオネちゃんを守りゃいいの？』


『ううん、今回はヘビさんの不意をつきたい..』


ジェイド『ではレイラさんを守るというよりかは、こちらに注意を引き付ければいいのですね？』


『そう..お願い』


『『『分かった/分かりました』』』


全員が作戦の内容を把握し、目の前に立ちはだかるジャミルへと視線を移す


アズール『では、作戦を開始しますよ』




ジャミル『そうやっていつまで耐えられるか見ものだな！』


アズール『いいえ、もう防御に徹することはありません』


ジャミル『ほう..なら、どうする？』


アズール『こうします』


防御魔法を解いた瞬間、アズールは杖を振るうとジャミルの足元から巨大な水流が巻きつくように勢いよく吹き出した


ジャミル『ぐあっ..！こんなもの！』


魔人が閃光を放って打ち消そうとするが、水流は消されるどころか閃光さえもはね除ける


カリム『よし、いけるぞ！』


アズール『これはただの足止めのようなもの、長くは持ちません。その間に彼女の魔法発動が間に合えばいいんですが』


ジェイド『アズール、来ますよ！』


ジャミル『水ごときにこの俺を止められたと思うなよ。俺の力はこんなものじゃない！』


奥から光の気配がしたと思うと、ジャミルを囲んでいた水流が弾け飛び、辺りに数粒の雨となって落ちた


そこには両手に禍々しい光の玉を携えた魔人とジャミルがニヤリと笑いながら、その両手を前へとつき出す


グリム『げげっ！なんかさっきのよりヤバそうなんだゾ！』


アズール『フロイド、ユニーク魔法の準備を』


フロイド『もうしてるし』




ジャミル『これで最後にしてやる..くたばれ！！』