第6章 *不本意トラベル*
やられた...
エースに先手をとられた...やっぱり何かあったんじゃないか
エースとキス...しかも口って...
多分、エースのことだからレイラに好きって言われて、でも一応警戒のために...分からせるためにやったことなんだろう
それでもきっと僕への宣戦布告も入ってる
『ユウ...怒ってる...?』
あぁ怒ってるよ...胸がズキズキ痛む程に。でもこれはただの醜い嫉妬だ。レイラは悪くない...いや、ちょっとは悪いか
ユウ『レイラ、僕ともキスしよ?』
『っえ...?』
ユウ『僕が望んでもしてくれるんでしょ?』
『...ん...いいよ』
小さく頷いたレイラ...無防備過ぎるよ...僕が、あの時のエースが、どんな気持ちで君を見ているのかも分からずに、その唇を委ねたの...?
ゆっくりと起き上がって、レイラに跨がるように両手を彼女の顔の横に置いて、そのまま肘も置いてまるで押し倒したような体勢になった
いつも以上に可愛い顔が近くにあって、凄く緊張する。でもそれ以上に僕の行動に、その真っ赤な瞳が僅かに揺れているのが少し嬉しかった
『ユウ...昨日となんか違う、ね...』
ユウ『そうかな...?うん、多分そうなんだ』
『ちょっとドキドキする...』
慣れない状況に緊張してる...?それとも、少しは僕を男として見てくれてる...?
ユウ『可愛い...』
片手で頬を撫でながら、自然と口からポロっと出た言葉。だけど、レイラはその言葉に凄く嬉しそうな顔をした
『ユウ...可愛いって言ってくれた...嬉しい』
破壊力鬼の衝撃にクラっときたけど何とか持ち直した
ユウ『可愛いって言われるの、好き?』
『ん...』
ユウ『じゃあ、これから何度でも言うよ。レイラ...可愛いよ...可愛い...好き...好き』
何度も言葉にしながら、じゃれるようなキスをする。頬から額...そして少し体をずらして頭の上の小さくてフワフワな耳にも
『んっ...』
耳にキスした瞬間少し体が震えた...もしかして
ユウ『レイラ、もしかして...耳弱い?』