第42章 *敏腕アシスト*
フロイド『こいつら何度締めても起き上がってくんだけど。ゾンビかよっ!』
カリム『ジャミル!もうやめろ、分かったから。お前が寮長になれ!オレは実家に戻るから..っ』
ジャミル『はあ?何言ってんだ。俺の呪縛は、そんなことで簡単に解けはしない..カリム、お前がこの世に存在する限り!』
そう言うとユニーク魔法を更に強力に発動して、倒された寮生たちを強制的に起き上がらせる
ジェイド『いけません、ジャミルさん。これ以上ユニーク魔法を使い続ければ、ブロットの許容量が..!』
『オーバーブロットしちゃうよ!!』
ジャミル『うるさい!俺に命令するな。俺はもう、誰の命令も聞かない!!俺は、もう自由になるんだ!!』
その時、黒いインクは心を染め上げ臙脂色の熟慮の精神を汚し、蝕んでいった
その淀みは宝石を濁らせ、彼の姿を変えていく
辺りは黒く淀んだ空気に包まれ、バチバチとそこらじゅうに電撃が飛び交う。姿を変えたジャミルの頭には黒いターバンが巻かれ、左目には臙脂色の炎が灯る。
そして、彼の長い髪の毛先が何匹もの赤目の蛇へと変貌しているのが、何よりもおぞましさを感じさせる
カリム『なんだあれ!?ジャ、ジャミルの姿が!?』
ジェイド『空模様も変わっていく。これは、アズールの時と同じ..!』
アズール『ーーオーバーブロット!援軍の見込みがない冬休みだというのに、厄介なことになりましたね』
グリム『あいつも闇落ちバーサーカーになっちまったのか!?』
アズール『ブロットの負のエネルギーが膨れ上がっていく..みなさん、構えてください!』
アズールの言葉に全員が戦闘体勢に入ると、ジャミルはフワリと浮かび上がり、全員を見下ろしながら手を振りかざす
ジャミル『さあ、カタをつけてやる..こんな暮らしはもうおしまいだ』
その声に呼応するように、ジャミルの背後の地面からズオオッとインク瓶を頭にした赤黒い魔人が現れる
『おっきな..魔人..』
グリム『ぎゃー!!でけぇバケモン!こえぇんだゾ!』
ユウ『夢で見た気が..』
アズール『早く正気に戻さねば..彼の魔力が尽きたらおしまいですよ』
カリム『ジャミル!頼む、正気に戻ってくれ!』