第42章 *敏腕アシスト*
『ヘビさん、前にも私にユニーク魔法かけようとして失敗したでしょ?それで気づいた..私にヘビさんの魔法は効かないんじゃないかって。理由までは分かんないけど、それを利用できるなら』
アズール『ぜひ作戦に組み込んでは?と言われまして。いやはや、半信半疑だったんですがまさか本当に効かないとは恐れ入ります』
ユウ『でもなんでアズール先輩と一緒の時にネタバレせずにまだ操られたフリしてたの?』
ユウの問いかけに"んー"と考えると、にっこりと誰もが見惚れる笑みで応える
『まだ隠してることあるかなぁって思ってて..アズさんがいなくなっても、まだ私っていう味方がいれば強気でいられるし、その勢いで何かボロ出すかなって』
ユウ『え..』
『でも何もなかったし、フロさんの声面白くて我慢できなかったけど、ちょうどいいタイミングだったからネタバレした』
アズール『レイラさんの迫真の演技、お見事でしたよ。一瞬、本当に操られているかとヒヤヒヤしてしまった程です』
『んふふ、ありがと。アズさんも上手だったよ。お芝居なんて初めてだったけど、ちょっと楽しかった。ヘビさんのびっくりした顔、可愛い』
グリム『お、お前、アズールが移ったのか?性格わりぃゾ..』
『そう?』
ジャミル『そ、そんなことが..っ..』
アズール『僕を"傲慢な魔法士"だと油断していたのと同じように、彼女を"か弱い魔法士"と油断したのが運のつき。それに前にも言ったでしょう?"彼女は我々が思っているよりも、強かで恐ろしい女性"だと』
ジャミル『くっ..!』
カリム『ジャ..ミル?これは一体..どういうことだ?』
何よりも聞き覚えのある声にハッと顔を上げると、寮生たちの間をぬって、カリムがおぼつかない足取りで現れる
ジャミル『カ、カリム..』
カリム『お、お前がオレを操っていたなんて..嘘だよな?』
体も声も震わせながらも必死に笑みを作る。その瞳には、信じられないと言わんばかりに揺れている
カリム『最近たまに意識が遠退いて、いつの間にか時間が過ぎてたことがあったけど..でも、ただの貧血か居眠りだろ?オレ、どこでも寝ちまうからさ。お前にもよく怒られてたし
なあ、そうだろ?オレ、居眠りしてただけだよな?』