第42章 *敏腕アシスト*
『ひゃっ..びっくりしたよご主人様』
ジャミル『ふ、可愛いなお前は。3度も失敗した時は何事かと焦ったが、これでもう俺のものだ』
『ん..』
大人しく片腕に抱かれる姿に満足していたが、すぐに顔をしかめてため息をついた
ジャミル『..だがアズールたちのせいでコツコツ溜めてきた計画がパァだ。あともう少しでレイラたちオンボロ寮組が寮生を焚き付けて、カリムを追い出してくれそうだったのに!
俺の手を汚さずにカリムを寮長の座から引きずり下ろすために、一体どれだけ面倒な下準備をしてきたと思ってるんだ』
『ご主人様..怒っちゃ、や..』
ジャミル『..はぁ..まずはアズールに命令して双子と共に珊瑚の海へ帰省させて..いや、待てよ。アズール、君は先日契約で買った能力を持ち主に返還したんだってな』
アズール『..はい』
ジャミル『ちっ、ではランプの魔人のようにこいつを便利に使うことは無理か。アズールの"黄金の契約書"の利用価値は高いが、こいつを長時間洗脳し続けることは難しいし..』
アズール『..ですが、契約内容は覚えています。僕と契約するに至った人物の秘密..悩み、弱み、欲望..僕は全て覚えている』
ジャミル『なんて趣味の悪いコレクションだ。やはりお前とは友人にならなくて正解だったな。その悪趣味なコレクションの中に、学園長ディア・クロウリーの秘密はあるのか?』
アズール『勿論です。彼が漏らされたくない秘密を、僕は知っている』
ジャミル『は、はは..やった。やったぞ!これで全て上手くいく!やはりお前は俺のランプの魔人だ、アズール!』
『ご主人様ぁ..』
ジャミル『ん?なんだ?』
『ご主人様はクロさん、学園長の秘密が知りたいの?』
ジャミル『そうだとも。学園長の弱みが握れれば..やっと俺は自由になれる..学園からカリムを追い出し、寮長になれるんだ!』
『ご主人様嬉しそう..
でもね、そんなの上手くいかないよ』
ジャミル『え?』
ズイッと背伸びしたレイラに耳元で囁かれ首をかしげると、廊下にコツコツと三人以外の靴音が響く
ジェイド『ーー話は聞かせていただきました』
ジャミル『!?』