第41章 *不服ビジット*
スカラビア寮・談話室
カリム『おっ、なんだお前ら。まだ遊んでるのか?』
談話室に灯りがまだ灯っていることと、ジャミルとユウ達がまだ話をしていることに気づいたカリムは、勢いよく談話室へ入ると、ニコニコとジャミルたちに話しかけた
一方ジャミルはまさかこんな時間に起きているとは、更にここに来るなど思ってもいなく、目の前に現れたカリムに酷く動揺した
ジャミル『えっ!?』
カリム『ん?マンカラか。懐かしいな、昔ジャミルと何時間も勝負したっけ』
ジャミル『お前、もう寝てたはずじゃ?どうして..一人でフラフラ出歩くなといつも言ってるだろう。もしまた誘拐されでもしたら..』
カリム『心配性だなジャミルは。大丈夫だよ、ジェイドもレイラも一緒だったし』
ジェイド『ーーは?ジェイド?レイラ?』
すると遅れて談話室から黄金と深紅の瞳を揺らしながら二人は笑みを浮かべながらジャミルの前に現れた
ジェイド『はい。ずっとカリムさんの側にいましたよ』
ジャミル『ーーー!!』
ジェイド『カリムさんは本当に親切な方ですね。色々と丁寧に教えてくださって』
ジャミル『...お前たち、カリムに何をした?』
ジャミルの僅かに殺気のこもった目にも臆することなく、ジェイドはただニヤリとした笑みで返す
ジェイド『何..とは?僕たちはただ楽しくお話ししていただけですよ。ね、レイラさん』
片腕でレイラの肩を引き寄せると、レイラもジェイドに凭れるように抱きつき意味深な笑みを浮かべる
『ん。楽しかったしキレイなものも見れた。カリムさんもそうでしょ?』
カリム『うん。宝物庫を案内してただけだぜ?』
ジャミル『ーーーっ..!!』
カリム『あ、そうだジャミル。うちから持ってきた銀と青の絨毯があっただろ?あれ、どこにあるか知ってるか?オレじゃ見つけらんなくてさ』
ジャミル『戻ろう、カリム』
カリム『え?なんだよ、急に』
ジャミル『いいから、部屋に戻るぞ!』
カリムの言葉を遮るように立ち上がると、戸惑うカリムの手を引いて足早に談話室から去っていった
カリム『悪いジェイド、レイラ。絨毯はまた今度!』
ジェイド『はい。またいずれ..ふふふ』
『おやすみ、カリムさん』