第41章 *不服ビジット*
ダメな寮長だよな..と眉を下げて小さく笑うカリムにジェイドは更に質問を投げ掛けていく
ジェイド『この冬休みの居残り特訓は貴方がお決めになったのでは?』
カリム『確か、そう..だったと思う』
ジェイド『また煮えきらないお返事ですね。ふむ..』
ジェイドは埒があかないと思ったのか、ある1つの方法に賭けることにした。そして、それを決心したと同時にカリムの横で同じく考え事をしているレイラへとアイコンタクトをとる
すると、自分の今からすることは知っているはずもないレイラだったが、ジェイドが何かをするということは理解できたようで小さく頷いた
ジェイド『ーーあ、痛っ!』
カリム『ん?』
『どしたのジェイさん』
突然片手で目を押さえて身を屈めるジェイドに二人の視線が集中する
ジェイド『すみません。目に埃が入ってしまったみたいで..少し見てもらえませんか?』
『カリムさん見てあげて、私より身長大きいからジェイさん負担少ないし』
カリム『おう、分かった。大丈夫か?ちょっとしゃがんでくれ。どっちの目だ?』
ジェイド『左目を』
カリムに言われた通りにしゃがみこんだジェイドに近寄ると、そっと押さえる手を退けて左目を覗き込む
すると次の瞬間、カリムの後頭部と肩にジェイドの手が添えられグッと顔を近づけられた
ジェイド『僕の左目を見て..そう.."そんなに怖がらないで。力になりたいんです"
かじりとる歯(ショック・ザ・ハート)』
静かに詠唱したジェイドの黄金の左目がいつも以上に妖しく光り出す。無意識に身を引こうと一歩下がろとするカリムだったが、背中に感じた温もりがその歩みを押し留める
カリム『..え?』
『逃げちゃダメだよカリムさん..ちゃんとジェイさんの眼を見て..』
後ろから抱きついたレイラはカリムが下がらないようにしながらも、自分はジェイドに干渉されないように顔を背中に埋めていた。そのため表情は二人には見えなかったが、それはまるでリーチ兄弟のようなニヤリとした悪い笑みだった
カリムは身動きがとれないまま、ジェイドの光る左目に吸い込まれるように魔法の干渉を受けた