第41章 *不服ビジット*
スカラビア寮・廊下
アズールがジャミルの元へ行っているその頃、レイラとジェイドはカリムを連れ出してある場所へと向かっていた
ジェイド『ごめんなさい、カリムさん。まさかもうお休みだったとは思っていなくて。明日にすれば良かったですね。もう一度宝物庫が見たいなんて』
『ごめん..シロさんビックリさせちゃった』
カリム『いいって、いいって、気にすんなよ!そりゃオレの部屋にレイラがいたのはビックリしたぞ。これからは不用意に男の部屋入っちゃダメだからな』
『分かった』
カリム『よしよし、良い子だな。で、何が見たいんだ?』
隣で歩くレイラの髪をワシャワシャ撫でると、ジェイドを見上げながらカリムは尋ねる
『タペストリーとか他の絨毯とか..スゴくキレイだったし、ジェイさんも気になるって言ってたもんね』
ジェイド『ええ。僕、熱砂の国の文化にとても興味があるんです。乾いた砂が広がる世界なんて、海の底とは正反対の世界ですから』
カリム『ああ!絨毯といえば、お前たちの寮に似合いそうな色のもあるぜ。物置で埃を被ってるのも勿体ない。良ければ持っていくか?』
ジェイド『よろしいんですか?』
カリム『勿論だ!レイラも気に入ったのがあれば持っていって良いからな。さ、着いたぜ』
『ありがとシロさん』
スカラビア寮・宝物庫
『ジェイさん見て..これスゴいキレイな色だね』
ジェイド『ええ本当に。近くで見ると一層素晴らしい。カリムさん、このピーコックグリーンの反物は?』
カリム『それは絹で織られたものだな。すげー昔、王族は王族としか結婚できないって、法を改正してスラム育ちの平民と結婚した姫さんがいて、その姫さんがよく着てた色なんだ』
『お姫様の..』
カリム『熱砂の国でその色は男女ともに凄く人気がある。レイラにも似合うだろうな..今度この色で一着仕立ててやるよ』
『いいの?』
カリム『おう!あの夜お前に花を渡した時も思ったけど、オレはお前の喜ぶ顔がすげぇ好きだ。だから是非受け取ってほしい!』
『ん..嬉しい。ありがとシ..カリムさん』
カリム『名前で呼んでくれるのか?あははっ、何だかすげぇ嬉しいなぁ!』
『うきゅ..』