第41章 *不服ビジット*
スカラビア寮・ジャミルの部屋
ジャミル『はあ..カリムのやつ、また勝手に決めちまいやがって。俺がどれだけ苦労してると..くそっ。今日はもうカリムは寝たし、何も問題は起こらないだろう』
ため息をついてベッドに潜り込もうとしたその時、部屋のドアを叩く音が聞こえる
ジャミル『誰だ?こんな時間に..』
首をかしげながら、一応警戒心を持ちながら慎重にドアを開けると、そこにはニコニコと笑みを浮かべたアズールとフロイドがそこに立っていた
アズール『こんばんは、ジャミルさん』
フロイド『こんばんはぁ~~』
グリム『邪魔するんだゾ』
ユウ『夜分にすみません』
二人の後ろからユウとグリムがひょこっと顔を出すと、ジャミルの眉間に皺が寄る
ジャミル『!!..何の用だ?』
アズール『先程カリムさんにご案内いただいた宝物庫で、見たことのないボードゲームを見つけまして。カリムさんにルールを説明していただいたのですが、どうも要領を得ない』
フロイド『この穴の空いた木の板と宝石で遊ぶゲーム、どうやって遊ぶの?』
フロイドは手にしたボードゲームをジャミルの前に差し出す。すると見覚えのあるゲームにジャミルの表情が幾分か和らぐ
ジャミル『ああ、"マンカラ"か..熱砂の国ではポピュラーなゲームだよ』
アズール『ボードゲーム部の僕としては、ぜひ遊んでみたくて。一局手合わせ願えませんか?』
フロイド『オレもオレも~、ウミヘビくんと遊びた~い。あはっ』
グリム『勝負とあっちゃ、グリム様も参加しねぇわけにはいかねぇんだゾ!』
ジャミル『..カリムも寝たし、まぁいいか。分かったよ、この人数じゃ俺の部屋は狭い。談話室に行こう』
ジャミルはアズールたちを部屋の外へ連れ出し、ドアを閉めると談話室へと案内するように先導していった
ジャミル『そういえばレイラの姿が見えないな。ジェイドの姿も』
ユウ『レイラはもう寝てしまいました。ジェイド先輩はレイラが寂しくないように隣にいてくれてます』
ジャミル『成る程。やはりか弱い女の子にスカラビアの特訓はキツいか』
ユウ『レイラはか弱くなんてないですよ』
ジャミル『え?』
アズール『そうですね。彼女は我々が思ってるよりも、強かで恐ろしい女性です』