第41章 *不服ビジット*
ジャミル『なっ!?』
アズール『この冬採用されたというスカラビア独自の学習スタイルも学ぶことが多そうですし』
カリム『そりゃいい!オクタヴィネルの寮長がうちの寮に滞在してくれるなんて、願ってもない』
ジャミル『..カリム、俺は反対だ』
カリム『えぇ?何でだよ』
ジャミル『他の寮に追い付くために、わざわざ冬休みを潰して特訓しているんだぞ。それなのに他寮の寮長を招き入れるなんて、敵に手の内を明かすようなものじゃないか』
カリム『敵なんて大袈裟だな。それに、オンボロ寮の3人はお前が連れてきたんじゃないか』
ジャミル『それは..っ、そうだが..』
『...』
明らかに混乱と動揺に瞳が揺れ動く様子を、レイラは真っ直ぐと見つめていた
ジャミル『俺はお前たちのためにも言ってるんだぞ、アズール..!』
アズール『ジャミルさんのご意見はごもっとも。他の寮は常に成績を競い合うライバルですから。残念ですが、僕らはこれでお暇しましょう。カリムさん、ジャミルさん、特訓頑張ってくださいね』
そう言うとアズール達は先程とは違い、いともあっさりと身を引いて談話室を立ち去っていく
アズール『はぁ..極寒の中、今年も3人ぼっちのホリデーですか..ま、仕方ないですけど..』
ジェイド『頑張って魔法の絨毯を捕えたんですがね..』
フロイド『モストロ・ラウンジもめちゃくちゃになったのになぁ..』
『『『はぁ~~~..ションボリ』』』
背後のカリムたちに聞こえるほどの声と、大袈裟な程に肩を落としてトボトボと出ていく
グリム『な、なんてあからさまな"引き止めてほしい"って態度なんだゾ!』
『..ふふ..可愛い..でもこれなら、』
カリム『ーーーちょっと待った!!』
ジャミル『...はぁ~~..』
『優しいシロさんなら引っかかるよね』
カリム『アズールはこの学校でもトップレベルの魔法士だ。スカラビアの成長のためにも、滞在してもらった方がいい!それに、折角訪ねてきてくれたやつを無下に追い返すなんて、アジーム家の名折れだ』