第41章 *不服ビジット*
アズール『いえ!結構。この魔法の絨毯は国宝級の逸品です。後々傷などが発見されて、"オクタヴィネルの奴らのせいだ"なんてクレームをつけられては困りますから。直接カリムさんにお渡しして、しっかりと検品して頂きたい』
ジャミル『カリムはそんなこと気にしないはずだ。だから俺が預かって..』
『凄い食い下がるね..』
ユウ『主人であるカリム先輩に危ない人を近づけさせたくない..ってことかな?』
『...』
グリム『まぁこいつらは確かに危ねぇもんな..』
フロイド『誰が危ねぇやつだって?』
ユウ『すいません』
ぐるりと振り向いたフロイドの据わった瞳に謝罪していると、アズールはジャミルの制止を振り切りさっさと寮内へと進み始めていた
慌ててジャミルがそれを追いかけていき、ユウたちは置いてきぼりの状態で立ち尽くした
ジェイド『さ、ユウさんたちも参りましょう』
フロイド『遅れないで着いてきてねぇ。あ、クリオネちゃん、はぐれないように手ぇ繋ごっか♪』
『ん..フロさんの手、おっきぃ』
ユウ『じゃあ反対側は僕ね』
ジェイド『おや、とられてしまいましたね。いいですよ、またの機会を伺うので。さて、行きましょうか』
スカラビア寮・談話室
カリム『あれ、アズール?何でうちの寮にいるんだ?』
アズール『こんにちは、ご機嫌いかがですかカリムさん。いやぁ~~、いつ来てもスカラビアは素晴らしい。外は雪もちらつく真冬だというのに、まるで真夏の陽気じゃありませんか』
商売柄なのか、ニコニコと何気ない話から入りカリムの機嫌をとり始める
『シロさん、今はいつも通りだね..』
ユウ『みたいだね..この時間だったら横暴な状態で寮生たちに"特訓だ!"って言っててもおかしくないんだけど』
アズール『今日は貴方の魔法の絨毯を捕まえたので、お届けにあがったんです』
カリム『えぇっ?あいつまた勝手に逃げ出したのか?そいつは手間をかけたな』
アズール『いえいえ、ところで..今年スカラビアはホリデーを寮で過ごされるとか』
カリム『ああ。もしかして、お前たちも?』
アズール『そうなんです!いやー、奇遇ですね。そこで、これを機に、オクタヴィネルとスカラビアで親睦を深める合宿を致しませんか?』