第40章 *浮雲リーブ*
顔を真っ赤にして一瞬躊躇を見せるが己の欲に勝てるわけもなく、レイラの肩に手を置いてゆっくりと顔を近づけて柔らかい唇にキスをした
『ん..ふふ、おやすみなさいアズさん』
アズール『はい。おやすみなさい..』
アズールはフッと優しく笑うと、少し名残惜しそうにVIPルームを出ていった
ユウ『さてと僕らも寝るとしようか。レイラ、おいで』
『ん』
先にソファーに横になって腕を広げて待つユウの所へ潜り込むと、いつも通りの温もりと匂いに心が和らぐ心地に包まれる
ユウ『はぁ..良い匂い。小さくて可愛いレイラ..大好きだよ』
『私もユウのこと大好き。ユウの腕の中凄い安心する..』
グリム『おい、オレ様も入れるんだゾ』
ユウ『うわっ..』
『グリムも一緒。フワフワで気持ちいい』
3人は一時だけでもスカラビアでの牢獄生活から抜け出せた喜びと、連日の特訓の疲れもあってかすぐに眠りについた
モストロ・ラウンジ
深夜のモストロ・ラウンジ、真っ暗で物音もしないその部屋を横切る影が1つ
『お水..』
ラウンジの厨房の入り口にそっと手をかけて開けようとしたその時、コツ..と靴の鳴る音が背後から聞こえた
『誰..っん...!!』
驚いて振り返ろうとすると、後ろから伸びた手に口を塞がれもう1つの手で引き寄せられる
『んんっ..!』
?『静かに..』
後ろから耳元で囁かれる声は酷く優しく聞き覚えがあったため、レイラの中から恐怖が徐々に薄れていく
大人しくなったのを見計らいその人物は口を押さえていた手を離すと、引き寄せている手はそのままにレイラの前へと移動する
闇に目が慣れ始めていたため、真っ暗なラウンジでもその人物の顔はうっすらながらも見えていた
『びっくりした..アズさん』
アズール『すみません、驚かせるつもりはなかったんですが..それより、こんな遅くに出歩いてはいけませんよ』
『ごめん..ちょっと喉渇いちゃって..』
アズール『そうでしたか..僕が水を持ってくるので、レイラさんはどうぞそこへかけて待っててください』