第6章 *不本意トラベル*
〔エース〕
レイラの"好き"の告白からの、ユウとのビックリ寮生活カミングアウトに頭ん中がグルグルしてる
なんだよ...ユウと一緒に寝ただけじゃなく、おやすみのキス!?ふざけんな!
コイツ、ホント距離感がおかしいって言うか、知らなさすぎだろ!!色々と!!
今日1日一緒に行動しただけで"好き"なんて言って...こんなんだったら、その内全員に好きって言い始めるぞ!?
そんな事になったら...必ず勘違いして手出してくるやつが出るに決まってる...。コイツたまに口は悪いけど、すげぇ可愛いし...ユウは確定だけど、オレと多分デュースもコイツに惚れてる
それだけ人を惹き付ける...
だから心配になる...いや、違う。嫉妬、不安になってるんだ
ユウとしていることに嫉妬して、これからライバルが増えることに不安になって、そしてそいつらと仲良くしてるレイラの姿を見てまた嫉妬する
だから、今オレはこんなことしてるんだ....
壁に手をついてレイラを至近距離で見つめる
これからする事は
勘違いしたやつがどんな事してくるかを教えるため
ユウとしてることに嫉妬して対抗するため
オレ達とオマエの"好き"は違うって伝えるため
オレも...オマエが好きだって伝えるため
そっと手袋をつけた手でレイラの顎をとらえてクッと上げる
何も分からないって目でオレを見つめてくるその瞳。少し目線を下げれば、柔らかそうな唇。フワッと香る良い匂い
エース『レイラ...』
『っん...!?』
そっと顔を近づけてレイラとの距離をゼロにする
すげぇ...柔らかい...甘い...
エース『んっ....』
『んぅ...っ...』
最初は重ねるだけを堪能して一度口を離す。まるで状況が分からないとでも言いたげな顔
だけどこれで終わらせねぇ。まだ...足りない
今度は顎を固定してる手の親指で唇をなぞる。そして、少し力を入れて口を開かせると閉じない内にまたキスをした
半開きの隙間から舌をそっと忍ばせれば、ビクッと肩を震わせたのが分かった