第40章 *浮雲リーブ*
言葉とは裏腹に悪い笑みを浮かべるアズールに、何かの意図を読んだリーチ兄弟も悪い笑みでそれに応える
アズール『毎年同じ顔に囲まれてターキーをつつくのにも飽きてきたところです。僕たちも明日からスカラビアへお邪魔しようじゃありませんか』
グリム『ええっ!?折角逃げ出してきたのに、また監獄へ戻るのか?オレ様嫌なんだゾ!』
フロイド『まーまー、アザラシちゃん。そう言うなって』
ジェイド『アズールに任せておけば、きっと楽しいホリデーになりますよ』
アズール『お邪魔するのに手ぶらも失礼です。ジェイド、フロイド、手土産の用意を忘れずに』
『『はい/はぁ~い...ふふふ』』
アズール『灼熱の砂漠で過ごすホリデー。悪くないじゃありませんか。楽しみですね..ふふふ』
スカラビアへ行くと決まり、意気揚々と準備を始めているオクタヴィネル3人を見ながら、グリムは不満を口に出しながらホットミルクを啜っていた
グリム『はぁ~..オレ様たちの努力が水の泡なんだゾ』
ユウ『まさか戻ることになるなんてね』
『でもこのままスカラビアを放ってもおけない。アズさんたちがいてくれたら、きっと解決するよ』
ユウ『...』
『ユウ?』
ユウ『ごめんねレイラ、守ってあげられなくて。また泣かせたし、怪我だってさせちゃった..』
『ユウ達は全然悪くない。だってみんな飛ばされたでしょ..あの時はそれどころじゃなかったよ。それよりユウ達は大丈夫?どこか痛くない?』
ユウ『頭とか打ったけど大丈夫』
グリム『オレ様は背中を打って痛いんだゾ~..』
背中を押さえながら耳を垂らすグリムを優しく撫でてやっていると、ユウはあることに気づいて"あっ"と声をあげた
ユウ『そういえば僕たち今日どこで寝るの?』
アズール『我がオクタヴィネルのVIPルームのソファーをお使いください』
『アズさん』
ユウ『え、でも迷惑じゃ..』
アズール『ご安心を。すでに迷惑かけられているので』
ユウ『あ、はい..』
アズール『それに、明日スカラビアへ行くのに肝心な貴方がたに逃げられても困りますからね』
グリム『うぐぅ..』
『オクタヴィネルにお泊まり?楽しみ』