第40章 *浮雲リーブ*
アズール『スカラビアの寮長が圧政を..?』
グリム『そう!寮生たちが毎日カリムに大変な目に遭わされてるんだゾ』
アズール『あのカリムさんが?』
フロイド『えー、ラッコちゃんってそういうことするタイプなんだ?』
ジェイド『あまり想像できませんね』
同じ寮長同士、または学年ということもあってカリムをよく知る3人は、スカラビアでのカリムの意外な行動に目を丸くして驚いていた
グリム『副寮長のジャミルってやつがめちゃくちゃ困っててよ。この学園にしてはいいやつで、オレ様ちょっぴり同情しちまったんだゾ。で、そんなピンチだってのに、学園長は全然連絡つかねーし!本当に無責任なやつなんだゾ!』
グリムの説明にアズールは考える込みながら黙っていると、ふと横からジェイドが小さく話しかける
アズール『...』
ジェイド『アズールはジャミルさんとは同じクラスでしたよね』
アズール『ええ。選択授業も同じことが多いので、よくご一緒しています。グリムさんの言うとおり、彼はこの学園では珍しいタイプかもしれません』
『アズさんから見て、ヘビさんはどんな感じ?』
アズール『そうですね。あまり主張がない..というか。大人しくて地味というか』
フロイド『あー、オレもバスケ部でウミヘビくんと一緒だけど、イイコちゃんなプレイするやつって印象。他の寮にあんま興味ないから知らなかったけど、スカラビアの副寮長だったんだ?』
アズール『寮長の圧政に、副寮長である彼が困っている..ふむ。では力になって差し上げなくては』
グリム『ほぁ?おめーがそんなこと言うなんて、どういう風の吹き回しなんだゾ?』
アズール『失敬な。僕は前回の一件で自分の欲深さを反省し、心を入れ替えたんです。これからは海の魔女のように、慈悲の心で学園に貢献しようと決めています』
ユウ『(どの口が言ってるんだろうか..)』
アズール『今、スカラビアが危機に瀕し、クラスメイトが助けを求めている..そんな一大事、無視することはできません』
フロイド『ふ~ん..』
ジェイド『ほほう..』