第39章 *苛烈マーチ*
『ふぅ..』
グリム『ひぃ..はぁ..』
スカラビア寮生A『もう..無理だ』
ジャミル『オアシスが見えてきたぞ!もうすぐ休憩だ!みんな、あと少しだけ頑張ってくれ!』
倒れそうになる寮生たちにひたすら声をかけて励まし続けるジャミルの姿に一同が感動していると、休憩地点であるオアシスが遠くに見え始めた
『ヘビさん優しい..』
ユウ『そうだね。カリム先輩がああいう風になってると余計にあの人の言葉が優しく聞こえるよ』
『はぁ..はぁ..オアシス、ついた』
やっとのことでオアシスにつくと、早速水分を取りたいグリムはカリムに水をねだる。だが昨日とは違い、カリムは冷たい態度のままその願いをはね除けただけでなく、渇ききったオアシスから自分達で水を探してこいと言う始末である
スカラビア寮生A『..この干上がったオアシスから水を汲めだって?』
スカラビア寮生B『さすがに横暴が過ぎるだろ..』
スカラビア寮生C『寮長は本当にどうしてしまったんだ?』
ジャミル『大丈夫だ。こんなこともあろうかと、ラクダに水を積んできてある。荷物を下ろして水を分け合え』
スカラビア寮生A『ありがとうございます。ああ..ジャミル先輩が寮長だったら良かったのに』
ジャミル『!!滅多なことを言うんじゃない。カリムに聞かれたらどうする』
ポツリと溢した寮生の言葉にジャミルは小声で注意すると、宥めるように運んできた水を飲むように寮生たちの背を押していく
『ん..ん..ぷは..』
ユウ『はぁ..ジャミル先輩が水を持ってきてくれたおかげで生き返る』
グリム『ぷはぁ..でも足はフラフラなんだゾ..』
カリム『全員集合!休憩時間は終わりだ!さあ、さっさと隊列を組め!』
ユウ『え"っ!?もう..』
『早い..』
フゥと一息ついたユウ達だったが休みの時間も束の間で、体を休める暇もなくすぐにカリムによる休憩の終了の合図がかかる
スカラビア寮生A『ジャミル先輩、俺、俺..やっぱりもうこんな寮にはいたくない』
スカラビア寮生B『僕も、もう寮長には従えません!』
スカラビア寮生C『ジャミル先輩は何故あんなカリム寮長に従うんですか!?』