第39章 *苛烈マーチ*
『..みんなゴメンね。なんか、私だけ..』
ジャミル『何を言うんだ。こちらこそ客として招いたのにこんなことになってしまって申し訳ないと思ってる。これはせめてものお詫びだ』
グリム『だったらオレ様たちの特訓もどうにかしてほしいんだゾ~』
涙目に訴えるグリムにジャミルは申し訳なさそうに"すまない"と謝ることしか出来なかった
ユウ『じゃあレイラ、また様子見に行くからゆっくり休んでね』
『ん..ユウ、グリム、頑張ってね』
手を振ってユウ達を見送ると、談話室にはレイラとジャミルの二人だけとなった
ジャミル『では部屋に行こうか』
『ん..』
コクンと頷いて歩き出すレイラの後をジャミルは遅れて着いていく。その表情は全く感情の読めないものだった
ジャミル『随分と大切にされているんだな、君は』
『そう..?』
ジャミル『ああ。ユウやグリムの目や言動を見ていれば君がどれだけ愛されているか一目瞭然だ』
『ユウもグリムも私が好きだから..私も二人のこと好き』
ジャミル『ふ、自信があるんだな..』
『自信じゃないよ..事実だも..っ..ぅ..』
ユウ達のことを嬉しそうに話していると突然体がグラリと傾き、床にぶつかりそうになるすんでのところで、ジャミルが慌てて抱き留めた
ジャミル『レイラっ、大丈夫か!?』
『ごめん..ちょっとふらついた』
ジャミル『凄く顔色が悪い..急いで部屋に行こう』
ジャミルはレイラを抱えると、負担が少ないようにと早歩きで空き室へと向かっていった
スカラビア寮・空き室
器用に片手でドアを開けると、ベッドの上にそっと優しく降ろし布団をかける。ただでさえもいつも白い肌が今は病的なまでに青白く、呼吸も少し荒くなっていた
『ヘビさんありがと..』
ジャミル『よく休むといい。それにしても酷く疲れた顔をしているな。やはり女の子にあの行進はキツすぎたか..』
『行進もツラかったけど..この学校に来てから色々ありすぎて..』
ジャミル『ハーツラビュルやサバナクロー、オクタヴィネルでのことか。話には聞いた..ブロットが一気に溜まるような魔法をその度に使っているんだろう?』