第39章 *苛烈マーチ*
すると、出ていったはずのカリムがすぐに走り戻り、ワイワイと食事を楽しむ寮生達を見回すと、目をキッとつり上げる
カリム『おい、お前たち..いつまで飯を食ってるつもりだ!王様にでもなったつもりか!?』
『『『え、ええ~~!?』』』
カリム『今すぐ食器を片付けろ!すぐに午後の特訓を始める!』
『『『は、はい..っ』』』
また始まった突然のカリムの変容に、寮長たちは慌ててガタガタと食器を片付け始める
グリム『ひぃ..また怖い方のカリムになっちまったんだゾ!』
カリム『ユウたちも逃がさないぞ。今日は夜まで防衛魔法の特訓だ。さあ、庭に出ろ!』
ユウ『情緒不安定ってレベルじゃない..てか僕、魔法使えませんけど!?じゃなくて、レイラはどうなるんですか!?』
ジャミル『カリムっ..あぁまたか..』
遅れて走ってきたジャミルは冷徹に戻ってしまったカリムに片手で頭を抱えて項垂れる
カリム『ジャミル、すぐに特訓の準備だ!寮生たちを外に連れていけ!』
ジャミル『分かってる。だがレイラは朝の行進でかなり疲弊している。今日のところは休ませてやってくれないか』
カリム『..良いだろう。だが明日からは容赦はしない!寮生と同じように特訓に参加してもらうからな!』
ジャミル『あぁ..分かってる』
ユウたちを横目で睨み付けると、カリムは踵を返して談話室を出ていった
ユウ『はぁ..ビックリした』
グリム『ふなぁ~ん..夜まで特訓なんてしんどすぎるんだゾ~』
『...』
ユウ『レイラ?大丈夫?』
『!..ん、大丈夫..ちょっとぼおっとしてた』
ユウ『やっぱり今朝ので相当疲れちゃったか。早く部屋で休もうね』
ジャミル『俺が部屋まで連れていこう。ユウたちも急いで庭に行った方がいい。今のカリムを待たせると相当厄介だからな』
ユウ『..レイラ、僕たちと暫く離れちゃうけど平気?』
『怖いけど..大丈夫』
ユウ『ジャミル先輩..レイラは一人でいるのが怖くてダメなんです』
ジャミル『..分かった。出来るだけカリムには休憩を取るように言っておく。その間に様子を見に行くといい。特訓中は俺も定期的に見に行くようにはする』