第39章 *苛烈マーチ*
カリム『そこ!隊列が乱れているぞ!』
歩き始めて数十分。砂漠という悪路の中、上から照りつける太陽が徐々に全員の体力を奪い、列の乱れが目立ち始める
グリム『ひぃ..はぁ..少し休憩させてくれ..』
カリム『甘えるな!さあ、進め!この程度で音をあげるのは日頃の鍛練が足りていない証拠だ!昨日までの自分を恨むんだな』
『シロさん、怖い..』
ユウ『はっ..つら..』
ジャミル『...』
それから更に歩き続けると、寮生たちの疲労も限界を見せ始めもはや立っているのもやっとという状態まで来た
カリム『ペースが落ちてきたぞ!もっと足を上げろ!』
スカラビア寮生A『そ、そんな..もう無理です..』
カリム『貴様..そんな体たらくだから試験もマジフト大会も最下位になるんだ!』
グリム『暑い~!水をくれ~!干からびちまうんだゾ~!』
ジャミル『オアシスまであと少しだ。頑張れ』
ユウ『はぁっ..はぁっ..レイラ、大丈夫?』
『っ..ユ、ウ..っ..』
ユウ『レイラっ!!』
ユウの叫び声を聞きつけ、前を歩いていたジャミルがバッと振り返ると、ユウに抱き抱えられながら砂漠の上に倒れ込むレイラの姿を見つけ、急いで駆け寄った
ジャミル『大丈夫か!?』
ユウ『ジャミル先輩、レイラが..っ!』
はぁ..はぁ..と苦しそうに浅く息を吐きながらユウにもたれかかるレイラにジャミルは眉を潜めると、サッとその体を横抱きにして再びパレードの列に加わり歩きだした
グリム『おい!少し休ませてやるんだゾ!』
ジャミル『一人二人倒れたところでカリムは待ってくれない。それにもうすぐオアシスだ。早く行けばその分すぐに休ませてやれる』
ユウ『分かり、ました..グリム、頑張ろ』
グリム『はひ~~..もう無理なんだゾ..』
『はぁっ..ヘビ、さ..』
ジャミル『もう少しで終わるから、頑張れ..』
『ん...』
ジャミル『良い子だ..』