第38章 *邂逅スパイシー*
『クロさんのバカ..』
ユウ『一回とっちめたいな..あの人』
グリム『とりあえず、エースとデュースにでも連絡しとくんだゾ。あいつらじゃ、何の役にも立たなさそうだけど..』
ユウ『そんなこと言わないの....っと、よし。こんな感じでいいかな』
『ぁ..二人から連絡来てた。"寂しくない?""ちゃんとご飯食べてる?"だって』
ユウ『保護者か..レイラも二人にこの事を連絡しておいて』
『ん』
その日の夜
『寝れない..』
ユウ『慣れないところで、更にこんな状況だしね』
『それもある..』
ユウ『もしかして、悪夢のこと?』
『ん..』
コクンと頷くレイラの瞳は悪夢に対する恐怖によって揺れ動いていた
ユウ『..ごめんね、僕にどうにか出来る力があれば。そんな悲しい顔させないのに』
『ユウは悪くない..私が..弱いから』
ユウ『そんなことない。レイラはちっとも弱くなんてない。レイラは..とっても強い女の子だ』
『ありがと..』
小さな部屋の中、こじんまりとしたベッドに横たわり、互いの鼓動を感じながら二人は横たわる
グリム『仕方ねぇやつらなんだゾ』
ユウ『グリム..』
グリム『レイラが眠れるようにフワフワのオレ様が間に寝てやる』
足元で寝ていたグリムは、モソモソと布団の中を潜り抜け抱き合う二人の間に顔を出すと自身の毛をすり付けた
『グリムありがと..フワフワ気持ちいい』
ユウ『あったかいね..』
グリム『感謝しろよお前ら』
それから3人は目を閉じると、ゆっくりと意識を微睡みの中へと手放していった
[さテ..今日も楽しい楽しい悪夢のお時間にしようネ..]
ふわり...
[っ..!!これハ..あぁ、あの生意気な妖精王の施しカ..暫くなりを潜めていたと思ったらまたこんな..]
バチバチバチっ!!!
[っぁぁぁあ"!!..っ、やるじゃないカ。ボクからウサギちゃんを守ろうってことかイ?良いヨ、今日のところは諦めてあげル。ウサギちゃん..ではつまらない夢ヲ』
その日レイラは悪夢を見ることなく、久しぶりに平穏な夜を過ごした