第38章 *邂逅スパイシー*
いきなりのジャミルの言葉に3人は意味が分からず首をかしげた
ジャミル『君達はハーツラビュルやサバナクロー、更にはオクタヴィネルの問題までを解決に導いた優秀な生徒だと噂で聞いている』
グリム『へへ~ん、そうだゾ。あいつらはみんなオレ様達の活躍に感謝すべきなんだゾ!』
ジャミル『だから、頼む。どうか俺達スカラビアの力にもなってくれないか?食堂で会ったのも何かの縁だ。きっと君らはダイヤのように輝く解決策をもたらしてくれるに違いない!』
グリム『そ、そんなに期待されても困るんだゾ。確かにオレ様は優秀だけど、それとこれとは話が別なんだゾ!』
嫌な予感がしたのか、慌てて断りをいれたグリムはそっとユウとレイラの元に顔を寄せて小声で囁く
グリム『..おいユウ、レイラ。他寮のトラブルに首を突っ込むのはやめとけよ!オレ様、もう面倒ごとはごめんなんだゾ』
『ん..確かに』
ユウ『僕としても巻き込まれたくは..』
と言いかけたその時、ジャミルがユウの肩に手を置きグッと顔を近づける
ジャミル『君は..俺達を助けてくれるよな?』
その言葉と共にまた大食堂で感じたホワンと波打つ音と脳が揺れ動く感覚に襲われる。隣に座っていたレイラにも影響し、同じ感覚が頭を刺激する
『っ..』
ユウ『分かりました..任せてください』
『ぇ..ユウ?また..』
グリム『ふな"っ!?おまえ、何安請け合いしてるんだゾ!?』
ジャミル『!!..ああ!引き受けてくれるのか。嬉しいよ、ユウ。そうと決まれば、ぜひ3人とも賓客としてスカラビアに留まってほしい』
ユウの返事に嬉しそうに笑うと、パンパンと手を叩き周りにいた寮生を呼びつけ、空き部屋にユウ達を連れていくよう命じた
寮生A『こっちだ..』
ジャミル『では明日から頼んだぞ。"ダイヤの原石たち"』
『ヘビさん..』
ジャミル『どうした?ああ、君のことはちゃんと分かっている。勿論ユウと同じ部屋にしてあるから安心してほしい』
『そうじゃないの..ユウに..何をしたの』
ジャミル『..何の事だ?彼は"自分の意思"で俺に協力すると言ってくれたんだ』
『...そう..じゃあヘビさん、おやすみなさい』
ジャミル『ああ、おやすみ..』