第38章 *邂逅スパイシー*
夕食後の魔法訓練終了後
カリム『今日はここまで!明日の午前中は、東のオアシスまで行進だ。徹底的にしごいてやるから、そのつもりでいろ!』
そう言ってカリムがその場から立ち去っていくと、ようやくユウ達はその場に座り込み、一息つくことができた
カリムの変容ぶりに寮生たちも困惑を隠しきれずに、口々に疑問の声が飛び交う
グリム『ぜ~は~..やっと終わった』
『はぁ..疲れた..』
ユウ『レイラ大丈夫?』
『ん..』
グリム『あいつ、さっきまでニコニコした良いやつだったのに、急に人が変わっちまったんだゾ。どうしたんだ?』
『ヘビさんは何か知ってる?』
ジャミル『きっと、寮対抗マジフト大会や期末テストでスカラビアの成績がふるわなかったことに責任を感じてるんだろう。あいつは最近、情緒不安定なんだ』
グリム『..ユウみたいなもん..もぎゃっ!!』
ユウ『グリム..』
ギュムッ!と余計なことを口走ろうとするグリムの口を片手で握りながら封じる
『シロさん別人みたいだった..』
ジャミル『俺もあいつとは長い付き合いだが、今のカリムとどう接したものかと困り果てている。言動がコロコロ変わったり、急に横暴になったり..とにかく手に負えない』
はぁ、とため息をはいてジャミルはユウ達に合わせて隣に座り込む
ジャミル『こうなる前は寮生全員が寮長であるカリムを慕っていたが、最近のおかしな様子には戸惑うばかりで、さっきのように突然無茶を言い出すことも多くて..
このままじゃ寮生たちの不満が爆発するのは時間の問題だ。今まではなんとかフォローしてきたが..俺一人の力ではもう限界が見えてきている』
『ヘビさん、お疲れの顔してる..』
まだ少し躊躇の様子を見せるが、ゆっくりと手を伸ばしジャミルの頭を撫でると驚いた顔で見つめられる
ジャミル『っ..!すまないな..ありがとう』
グリム『う~ん。ハーツラビュルのトレイといい、副寮長ってやつは苦労するんだゾ』
ジャミル『...あっ!そうか..君たちこそ"ダイヤの原石"なんだ!』