第38章 *邂逅スパイシー*
スカラビア寮・廊下
ユラユラ揺れる感覚に意識が浮上しゆっくりと目を開けると、下の方で歩くグリムと目が合った
『ん..』
グリム『お、レイラのやつ起きたんだゾ』
ユウ『あ、起きた?おはよレイラ』
『ふぁ~あ..おはよ、ユウ...ここは?』
ユウ『スカラビアの廊下歩いてるの。今からカリム先輩が面白いところに連れてってくれるんだって』
『そっか..ん..降りるよ』
そう言ってユウの背中からもそもそと降りると、ユウと手を繋ぎながら歩きだした
カリム『ユウとレイラは仲が良いな。寮生同士仲が良いのは良いことだ!いつもそうやって手を繋いでるのか?』
『そうだよ..ユウといつも手繋いで一緒にいるの。ユウと一緒にいるの好き』
ユウ『僕もしゅき』
『しゅ?』
カリム『あっはっは!ユウの方がレイラにゾッコンみたいだな!』
ユウ『返す言葉もないです』
『でもシロさんもヘビさんと仲良しさんでしょ?』
カリム『シロ?ヘビ?』
ユウ『すみません、レイラは初めての人には渾名で呼ぶことがあって..慣れてくるとちゃんと名前で呼ぶんですけど』
グリム『ヘビってのはジャミルのことだろ?さっき聞いたんだゾ』
カリム『てことは"シロさん"ってのはオレのことか?』
『ん..髪白いからシロさん』
カリム『ははっ!いいなそれ、気に入った。慣れたらカリムって呼んでくれよな』
『..考えとくね』
その後カリムは自身の兄妹が多い話や、ジャミルとは親同士の繋がりで小さい頃から共にいる話をした
カリム『だから、ジャミルにも小さい頃からずっとオレの世話係をしてもらってる。ジャミルはスゲーやつなんだ。頭も良いし、気も利くし、何より料理が上手い!』
グリム『確かに、さっきの料理はスゲー美味かったんだゾ』
カリム『だろ?じゃあ今日は夕食も食べていけよ!なっ?』
グリム『お、おう..なんかこいつと喋ってると調子が狂うんだゾ』
ユウ『なんか裏がある気もするけど..まぁ、この学園では珍しい、良い人だね』
『?他の人も良い人ばかりだよ?』
ユウ『レイラはそうだろうね..』
カリム『お~い、お前ら。何コソコソしてるんだ?こっちに来いよ』