第38章 *邂逅スパイシー*
グリム『はあ?青カビなんて食えるわけがねぇ..むががっ!急に口に入れてくるんじゃ、もがっ!』
カビと聞いて拒否しようとしたグリムだったが、カリムは手に取った青カビチーズの乗ったクラッカーを容赦なしにグリムの口に突っ込んでいく
カリム『そうかそうか、美味いか!もっと沢山食えよ、あっはっは!』
ユウ『あ~グリムがえらいことに..』
『むぐむぐ..』
ジャミル『美味いか?』
『ん』
ジャミル『レイラは兎の獣人みたいだが、肉料理は平気か?』
『食べれるよ..でも野菜の方が好き』
ユウ『って、こっちはこっちで食べてるし』
『ユウも一緒に食べよ?』
ユウ『よしきた。はい、あーんして♪』
上目遣いでユウを誘うと、キリッと表情をしめると颯爽と隣に座り、野菜がたっぷりと挟まれたパン生地の料理を手に取りいつものごとくレイラに食べさせた
『ん...おいし..ユウもあーん』
ユウ『あむ..ん!美味しい!』
ジャミル『お前たち..いつもそんな風にしてるのか?』
ユウ『そうですよ?』
ジャミル『そ、そうか..』
宴も終盤になり、レイラとユウは腹を満たしクッションで休憩していると、カリムにあれよあれよと食べさせられたグリムが満腹に苦しみながら逃げるように戻ってきた
グリム『も、もう食べられない..うっぷ。腹がはち切れそうなんだゾ。あのカリムってやつ、めちゃくちゃカビの乗ったクラッカーを食べさせてきやがる』
ユウ『なんか、お疲れ様..』
『お腹いっぱい..眠い..』
ユウ『あらら..レイラお昼寝タイム?』
ユウの肩にもたれながらうつらうつらと船をこぎ始めていると、パタパタと笑顔のカリムが3人の元へ走ってきた
カリム『おーい3人とも、おやつにしないか?アイスクリームがあるぜ。それともフルーツの盛り合わせが良いか?ピスタチオとアーモンドの焼き菓子もあるぞ。ジャミルに持ってこさせようか』
満腹の中、更にデザートまで持ってこようとするカリムにグリムは慌てて全力で拒否した
ユウ『そういえばさっきから思ってたんですけど、何故家に帰らないんですか?』
ジャミル『その前に、レイラ寝てないか?』
ユウ『ありゃ..』