第38章 *邂逅スパイシー*
ジャミル『それは熱砂の国の伝統的な料理で..ああ、そうだ。ここで会ったのも何かの縁、良ければ君たちも食べていかないか?』
グリム『にゃに!?良いのか!』
ジャミル『ああ、勿論。料理の完成まで後少しだ。君たちも手伝ってくれ』
グリム『ユウ、レイラ、やるんだゾ!』
ユウ『はいはい』
『お腹空いた..』
ジャミルに誘われるままに、ユウ達はスカラビア寮生に混じって料理の手伝いをすることになった
『スパイス..良い匂い』
ジャミル『熱砂の国のスパイスさ。何種類かブレンドすることで独特の風味が出るんだ』
グリム『なあなあ、この茶色の粉もう入れて良いのか?』
ジャミル『まだだ、ガラムマサラは火を止める直前に入れないと香りが飛んでしまう』
『ヘビさんはスパイスとか料理に詳しいね..』
ジャミル『ヘビ、さん?それは俺のことか?..まあいい。にしても随分と楽しそうだな』
鍋をゆっくりかき回しながら楽しそうに耳を揺らすレイラの後ろから、ジャミルは鍋の様子と耳の揺れを交互に見つめる
『お料理は好き。おうちでよくやってた』
ジャミル『そうか。俺も普段から料理しているから、自然と詳しくなったんだ』
『一緒だね』
ジャミル『そうだな。っと、そろそろ良い具合だな。そこを弱火にしてもらってもいいか?』
『ん』
グリム『こっちも良い感じなんだゾ!』
ユウ『レイラ、さっきまで怯えてたけどもうジャミル先輩と仲良くなってる。成長したね..』
グリム『ユウ、お前..台詞と顔が合ってねぇんだゾ..』
早くも親しげに会話をしながら調理する二人にユウは手に持っていた食材を潰さんとばかりにギリギリと握っていた
グリム『完成したんだゾ!』
ジャミル『どれ..うん、良い仕上がりだ。君達が調理を手伝ってくれたおかげだな、ありがとう。寮で食べるから、君たちも来てくれ』
グリム『にゃっは~♪早く食べたいんだゾ!』
ジャミル『よし、こんなものだな。お前たち、料理を寮へ!』
ジャミルの号令にスカラビア寮生達は、順々に出来上がった料理を手に厨房を出ていった
グリム『ところでお前らこそ、何で冬休みなのに学校に残ってるんだゾ?』