第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
『『レイラ..』』
『ユウたちがいるから寂しくないって思ってたけどそうじゃなかった。"誰か"がいないから寂しいんじゃなくて、"エース達"がいなくなるから寂しいの』
ユウ『...』
『他の人達とバイバイするのも寂しかったけど、二人とは毎日会ってたから、余計に今日から会えなくなるが...やなの』
エース『そっか..ちゃんと寂しいって思ってくれてたんだ。隠してたのは強がってたから?』
『ん..弱いところ見せたくなくて..でもダメだった。エース、デュース、行かないで..』
エース『っかぁ~..引き留めてほしいって思っときながら言うのもあれだけど、レイラに頼まれるとマジで帰りたくなる』
デュース『僕もだ。今すぐ荷物を寮に戻ってレイラと過ごしたい』
『でもやっぱり折角のホリデーだもん。ゆっくりおうちで過ごして家族と過ごすのが一番..だから、』
エース『ん..!』
デュース『ん..!?』
顔をあげて順にキスしていくと、いきなりのことにポカンとする二人から離れ、フワリと柔らかく笑みを浮かべた
『行ってらっしゃい二人とも』
エース『っ..//なんだよ、可愛すぎ..』
デュース『名残惜しいが、レイラに言われては仕方ないな』
エース『なんかあったら連絡しろよ。ユウも、寂しかったら連絡していいぜ~?』
ユウ『何もないのに連絡しないよ』
デュース『じゃあユウ、レイラ、グリム、良いホリデーを』
エース『また来年な』
『良いホリデーを』
ユウ『また来年よろしく』
エーデュースコンビは少し寂しそうな表情を浮かべながら、三人に手を振ると転送用の鏡へと歩いていった
『ユウ..』
ユウ『よしよし..寂しいね。その代わり、レイラがここにいる間は僕たちが側にいるから、絶対に一人しないよ』
強く抱き締めると、途端に先ほどまで普通に送り出していた表情がエース達を送ってから酷く暗いものになり、寂しさをまぎらわせるようにユウの胸に顔を埋める
ユウ『とりあえずお見送りは終わったし、一度寮に帰ろうか』
3人は殆ど人のいなくなった鏡の間をもの寂しそうに見つめてから、背を向けてそっとオンボロ寮へと帰っていった