第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
『寂しく..ない』
エース『良いのかよ~..オレら実家に帰ってダチと遊んでたら楽しくてお前のこと忘れちゃうかもしれないぞ?』
デュース『新しい出会いがあるかもわからないからな』
エース『そうそう、小さい頃学校が一緒だった近所の女の子が、"エースくんカッコよくなったね"とか言って仲良く過ごすことになったらお前は嫌だろ?』
デュース『そのままその子のことイイ感じになったりしたら嫌だろ!?』
ユウ『いや、どんなシチュエーションよ。てか必死すぎる..』
グリム『こいつらどうしてもレイラに"寂しい"って引き留めてもらいたいんだゾ..』
二人の謎のシチュエーションにユウとグリムが呆れ果てる中、当の本人は表情1つ変えずにエーデュースコンビの手をとった
『それでも寂しくない』
エース『うっ..し、心配にならねぇの..?』
デュース『お前以外の女の子と過ごすんだぞ?』
『心配じゃない..』
淡々と答えていくレイラにもはや涙目になりながら二人は"何で!?"とすがるように尋ねる
『だって二人は私のことが"好き"でしょ?だからそんなことありえない。それに..仲良くなっても私以上に好きにならないって知ってるもん』
エース『...』
デュース『...』
『『..う"っ!!!』』
ユウ『あ、二人が死んだ』
エース『何その"当然"みたいな言い方..』
デュース『いや勿論そんなことないし、なる気もないが..』
『『好き...』』
『うきゅ...』
胸を押さえて野太い声をあげたかと思ったら真顔に変わってレイラを抱き締める二人にユウとグリムは呆れを通り越して引いていた
ユウ『ダメだこの二人。頭ぶっ壊れてる』
グリム『お前と良い勝負だと思うんだゾ』
ユウ『え』
エース『ぜってぇ浮気しねぇわオレ。毎日メール送る』
『それはちょっと..』
デュース『たまに電話かけていいか?』
『それは大歓迎...でも...』
エース『ん?』
レイラは急に耳を垂らして二人をギュッと抱き締め返すと小さく呟いた
『ごめん..やっぱり..ちょっと、ううん。凄く..寂しい..』