第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
ふとこちらへ向かって歩いてくるリドルが、浮かない顔のままにデュースにぶつかりそうになったことに気づき、レイラはデュースを横に避けるように促す
デュース『っ、ローズハート寮長!道を塞いですんません!』
リドル『..ん?ああ、お前たちか。まだ長話をするつもりなら、壁際に寄るのだね』
リドルは考え事をしていたのか、デュースに声をかけられても僅かな時間差の後に元気のない声で静かに答えた
『リドルさん、大丈夫?』
リドル『レイラ..すまない、少し抱き締めてもいいかい?』
『勿論、良いよ...』
両腕を広げるとリドルはレイラを抱き締め、甘えるように首もとに顔を埋めてスリスリと擦りついた。そんなリドルの頭をレイラはあやすように優しく撫でる
『よしよし..リドルさん良い子良い子』
ケイト『わお、リドルくんがこんな人前で甘えるなんてちょっとびっくり..』
エース『あ~そっか。寮長は実家でエグめの教育ママが待ち構えてるんだっけ。一時帰宅が憂鬱にもなるか(小声)』
ユウ『確かに帰りたくなくなるよね(小声)』
トレイ『..リドル、俺はお前の家に立ち入り禁止だから、ケーキを届けたりはしてやれないけど..いつでも店に遊びに来いよ。チェーニャも遊びに来るだろうし』
リドル『そう、だね。ボクもお母様と少し..話をしてみようと思う。聞いてもらえるか分からないけど..』
トレイ『そうか、頑張れ..』
『リドルさん..ツラくなったらいつでも連絡してね。お話ぐらいなら聞けるから..』
リドル『すまない..ありがとう。休みが明けたら、またあの場所で二人きりで話したい』
『ん。楽しみにしてる』
ギュッと強められる温もりに周りの状況も忘れて堪能していると、リドルの背後から大きな影がフッとさす
フロイド『なぁにぃ、金魚ちゃん。クリオネちゃんにめちゃくちゃ甘えてんじゃん。そんなにおうちに帰りたくないの?だったら帰らなきゃ良いのに。オレたちも帰らないしさぁ、一緒にガッコーに残ろうよ。あはっ』