第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
『やった..じゃあ..して?』
ジャック『っ..//』
顔を近づけながら目を閉じてキスを待つレイラに、ジャックは持っていた植木鉢を一旦降ろすと、肩に手を置いてゆっくりと距離を詰め、柔らかい唇にそっと触れた
『ん..』
ジャック『っ、これで満足かよ..//』
『ん!ジャックありがと。また来年よろしくね?』
ジャック『おう..//じゃ、じゃあな』
そう言うと恥ずかしさを隠すように足早にレイラ達の前から走り去っていった。大きくフワフワの尻尾を上機嫌に振りながら
『ジャック怒った?』
エース『怒ってねぇよ。あれは寧ろ逆っつーか..いや、やめとくわ。にしても相変わらず真面目だよなアイツ』
デュース『キングスカラー先輩..あそこまでいくと逆に感心するものがあるな』
そんなデュースの後ろからコツコツと複数の足音が近づいてきたかと思うと、聞きなれた明るい声が耳に聞こえてきた
ケイト『こらこら、一年生たち~。ああいう悪い先輩は見習っちゃダメだからね』
トレイ『宿題未提出なんて、うちの寮ならリドルに首をはねられるぞ』
『トレイさん、ケイさん..』
ケイト『っとと..』
トレイ『こら、いきなり飛びつくな。危ないだろ?』
二人の姿に気づくやいなや勢いよく飛びつき、二人をまとめて抱き締めるように腕にくっつくレイラをたしなめると、申し訳なさそうに耳を垂らした
『ごめん..』
ケイト『でも可愛いから許しちゃう♪あ~あ、レイラちゃんがうちに来てくれたらなぁ~..』
『ケイさんはおうち帰りたくないの?』
ケイト『姉ちゃんたちにこき使われるからねぇ~トホホ..あ、さっき遠くから聞いてたけど、レイラちゃんホリデー前半はここに残るんでしょ?』
トレイ『家でゆっくりしなくていいのか?』
『いい。出来るだけユウ達の側にいてあげたい..だってユウは私がいないと泣いちゃうから』
ユウ『全くもってその通りでございます..』
ケイト『あはは..ユウちゃんってばホントレイラちゃんにメロメロだね。他のみんなもそうだろうけどさ』
リドル『...』
『あれ?リドル、さん..?デュース、リドルさん通るから避けないとだよ』