第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
ジャック『ラギー先輩の地元は、貧しい暮らしをしている家庭が多いらしい。だから長期休暇のたびに沢山食べ物を持って帰って近所の子供にも食わせてやってるんだと』
『ジャックだ..』
エース『ジャック..お前もなんで両手いっぱいに植木鉢抱えてんの?植木屋でも始める気?』
ジャック『これは趣味で育ててるサボテンだ。休暇中に水やりしなかったら枯れちまうだろうが..って、お、俺のことはいいだろうが!』
『サボテン、可愛い..』
レイラはジャックの手に抱えられているサボテンを興味深そうに覗きこむ
ジャック『トゲに気をつけろよ』
グリム『にしてもラギーのやつ、赤の他人に飯を分けてやろうなんて意外とイイやつなんだゾ』
ジャック『捕らえた獲物は弱者にも分け隔てなく与える。それがハイエナだ。恐らくラギー先輩もそうやって育ったんだろう』
『そっか..だからラギさんはあんなに優し..っぐえ..』
突然レイラの後ろから腕が伸び、包み込むように抱き締められるとグッと後ろに引き寄せられる
レオナ『ふん、ガキを何人も集めて炊き出しなんて考えただけでゾッとするぜ。一人いるだけでうるさくてかなわねぇってのに』
『レオさん..びっくりした』
レオナ『色気のねぇ声出しやがって..ベッドの上じゃねぇとイイ声出ねぇか?』
からかうように後ろから囁くと、レオナに抱かれた日の事を思いだし、途端に黒い耳に熱が点る
『ばか..//』
ジャック『あれ、レオナ先輩..ご実家に戻られないんですか?』
ジャックはレオナが手ぶらでいることを不思議に思い尋ねると、レオナはめんどくさそうに盛大なため息をついた
レオナ『だったら良かったんだがな。帰らないと後からゴチャゴチャうるせぇから帰る。てことでレイラ、行くぞ』
『ぅぇっ!?』
エース『ちょいちょいちょい!!何連れてこうとしてんの!?』
ユウ『レイラは僕と一緒にホリデーを過ごすんですから!』
レオナ『あ?お前、帰らねぇのか?』
ジャック『俺もてっきり帰るのかと思ってたが』
『えっとね..』
ジャック『なるほど..お前、いいやつだな』
レオナ『そんな草食動物、ほっといたところで別に死なねぇだろ』
『でもやっぱり心配だから残る』