第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
学園長『ああ、そうそう。私が長期不在にするのでこれを君達に渡しておこうと思ったんです』
エース『あ、スマホじゃん』
学園長『レイラさんも少しの間残るとは聞いていますが、君が帰った後に何か緊急の用事があるかもしれまそん。その時はこのスマホで連絡してください。こちらはあくまで緊急連絡手段です。マジカメ巡りに没頭して通信制限を受けたりしないように』
そう言うとクロウリーは生徒達の帰還を補助するために業務へと戻っていった
グリム『にゃっはー!これでホリデーは御馳走がたんまり食えるんだゾ!』
『良かったね..』
エース『良いように丸め込まれた気がするけど..まぁ、お前らが良いなら良いか』
すると、五人の後ろから闇の鏡へ向けてバタバタと走ってくる足音が聞こえてきた
ラギー『はいはーい!そこの君たち、道のど真ん中に突っ立ってないでどいたどいた!』
デュース『ブッチ先輩..って、何ですかその大荷物!?バックパックにボストンバッグ3つ、更にデカいクーラーボックスまで』
ラギー『これっすか?シシシッ、大食堂と購買部の賞味期限切れそうな食材、全部買ってきたんすよ。長期休暇に入るから、毎回タダ同然でくれるんす』
エース『えぇ?でも、そんなに食いきれないでしょ』
ラギー『なーに言ってんすか。これっぽっちの量、近所の悪ガキどもに食わせたらあっちゅー間になくなるっすよ。ばあちゃんにもホリデーくらい腹一杯食わせてやらなきゃ』
『ラギさん、やっぱり優しい。そういうところ大好き』
ラギー『っ..//こんな大勢のいるところで..って、冷凍食品が溶けちまう』
『ラギさん、待って..』
ラギー『なんすかレイラちゃ...っん..』
『『『!!??』』』
食品を心配して急いで鏡へ向かおうとしたラギーを引き留めると、レイラはそっと触れるだけのキスを唇に落として柔らかく微笑んだ
ラギー『はぇ?』
『良いホリデーを。ラギさん、また来年ね』
ラギー『...はっ!っす、また来年//』
頬を赤く染めながらラギーはサッと背を向けると、ダッシュで鏡の方へ走り去っていった
デュース『行ってしまった。にしても、近所の悪ガキども...って?』