第37章 *スカラビア寮編~熱砂の策謀家~到来ホリデー*
ズカズカとグリムがクロウリーの元へエースたちを引き連れて押し掛けると、クロウリーは"何か?"と言わんばかりの表情で首をかしげる
学園長『おや、みなさんお揃いで。どうしたんです』
ユウ『ちゃんと元の世界に戻れる方法探してます?』
『あとホリデー中の私達のご飯は?』
学園長『あっ!あぁ~~~!元の世界に戻る方法ね。ははは、いやですねぇ。ちゃんと探していますとも。この冬期休暇は、まだ行ったことがない南の地域へ調査範囲を広げようと思ってるんですよ』
私とっても真面目なので、と取ってつけたような誤魔化しの理由にユウ達はしらーっとした目でクロウリーを見上げる
エース『調査に向かうって格好じゃない気がするけど..』
グリム『そうだそうだ!思う存分休暇を満喫する気なんだゾ!』
『いいな..私も南国行きたい..』
ユウ『レイラはあったかいのが好きなの?』
『ん。寒いとお部屋に引きこもっちゃうから』
グリム達が抗議の声をあげていると、クロウリーはユウ達に重要な任務があると言い出した
『重要な任務だって..』
ユウ『また調子のいいことを..』
学園長『この任務を請け負ってくれるなら、休暇中の食料の補給は勿論..ホリデーのご馳走についてもお約束します』
そしてゴーストたち同様聞くだけでよだれが出そうなご馳走の名をあげていく
グリム『ふ、ふん!話ぐらいは聞いてやっても良いんだゾ』
『グリム、安い..』
学園長『ごほん。この学園の食堂や暖炉の火は全て火の妖精の魔法によって賄われています。彼らは長年、大食堂の暖炉に住み着いているのですが..毎日よく乾燥した薪を与えなければ消えてしまうのです』
ユウ『じゃあ、火の妖精がいなくなったら学園中が凄く寒くなるんじゃ..』
『学園エアコンないのって、妖精さんたちのおかげだったんだ..』
学園長『今までは長期休暇中も厨房係のゴースト達が火の番をしていてくれたのですが..今年は娘夫婦にお子さんが生まれたそうで、初孫の顔を見にあの世に帰省するんだとか』
『それで私達が..』
ユウ『ゴーストに初孫とは..?』
そこは気にするなと言うと、クロウリーは思い出したように懐からあるものを取り出した