第6章 *不本意トラベル*
〔レイラ〕
ユウ達がクロさんのところでドワーフ鉱山での事を報告する為に学園長室へ行く前、私は医務室へと運ばれた
ユウ『じゃあ僕達は学園長室に行ってくるけど、レイラはここで待っててね。終わったら迎えに行くから』
『ん』
エース『....』
デュース『僕達も終わったらすぐに行く』
グリム『大人しくしてるんだゾ』
そう言ってみんなは医務室を出ていった
その後、医務室の先生が治療してくれたけど、職員室で作業があるとかで出てっちゃった
『...一人なの...や...』
ベッドにくるまって自分の体をギュッとする。寝ていた方がいいって言われて電気を消されているから、真っ暗なのが余計に不安
付けようにも怖くてベッドから降りられない
寂しい...怖い...早くみんな帰って来て..
その場で縮こまって震える事しか出来ない自分が情けない
ガチャ...
その時、突然医務室の扉が開いた音が聞こえた
誰...?みんな、帰ってきたの?
でも話し声も聞こえない...足音も一人分...
違う、知らない人だ...どうしよ
?『ったく..ラギーの野郎..補習食らいやがって』
聞いたことない声...どんどん近づいてる
カーテン越しに僅かに人影が映って、このベッドの前で止まった
?『あ?何でここだけ閉まってんだ?しかもよりによってここかよ..』
目の前のカーテンに手がかかる。どうしよ...開けられる
声をかけようとしたけど、恐怖で上手く声がでなかった
そうこうしてる間に、シャッとカーテンが開けられた
『っや...!!』
?『うぉっ..!?何だ..?人がいたのかよ』
その人は驚いた声を上げて一歩下がった。私はシーツを引き寄せ怖さに震えて、涙目でその人を見ることしか出来なかった
そんな怖さで気持ちがいっぱいになってる中、その人と目が合う
『...キレイ...』
?『は?』
『目、キレイ..宝石、みたい..』
その人はポカンと抜けたような声をしたけど、本当に綺麗だと思った。薄暗い部屋にエメラルドをはめたような鮮やかで鋭い瞳から目が離せない