第6章 *不本意トラベル*
グリム『う....うううう....っっ、うんまぁ~い!!!』
『『え"っ!?!?』』
グリム『まったりとしていてそれでいてコクがあり、香ばしさと甘さが舌の上で花開く...まるでお口の中が花畑だゾ!』
『なんかチョコ食べた感想みたい...美味しいのかな?』
ユウ『いや多分人は食べちゃダメだと思うよ』
エース『げーっ、やっぱモンスターってオレたちとは味覚が違うの?』
デュース『...かもしれないな。というか...落ちている得体の知れないものを口に入れること自体、ほとんどの人間はやらない』
ユウ『本当に大丈夫?』
ユウの心配とは裏腹に、グリムの体には何の異常も見られない
エース『もー、後で腹下して泣いても知らねーからな』
デュース『...さぁ、気を取り直して、この魔法石を学園長に届けに行こう!』
ユウ『レイラ、転送用の鏡まで歩ける?』
『頑張る...』
エース『...オレが運ぶ』
ユウの肩を借りて歩き出そうとしたレイラだったが、突然近づいてきたエースによって横抱きにされた
『っ...ハートくん?』
エース『...レイラが怪我したのは、オレのせいだから...』
俯くエースの顔に影が射し、その表情は先程とはうって変わって暗く沈んでいる
抱える力が僅かに強まり、レイラはエースが自分を本気で心配してくれているのが痛いほど分かった
デュース『....よし、行こう』
五人は急いでドワーフ鉱山を後にした
鏡の間
学園長『...エッ!?本当に魔法石を探しにドワーフ鉱山へ行ったんですか!?』
『『へっ...!?』』
学園長『いやぁ、まさか本当に行くなんて...しかも魔法石を持って帰って来るなんて思いませんでした。粛々と退学手続きを進めてしまっていましたよ』
グリム『んがっ!なんて野郎なんだゾ!オレ様達がとんでもねーバケモノと戦ってる時に!』
学園長『バケモノ...?』
エース『モンスターが出てきたんすよ。ほんと、めっちゃエグいわ強いわで大変だったんすよ!?』
学園長『詳しく話を聞かせてもらえますか?』