第36章 *閑話カームデイ7 ~アズール~* 注:裏表現
彼女は僕に全てを話してくれた。自分自身の事、黒ウサギの力の事、自分の過去の内容までも。それは周りから聞いていたものよりも酷く辛いものだった
そんな話の後に僕の話なんて..でも彼女には知って欲しい。僕の過去を..自分自身を。そして、それを知った上で貴方に気持ちを伝えることを許して欲しい
アズール『すみません..ツラい話をさせてしまいましたね』
『ううん。アズさんの方がツラかったでしょ?』
アズール『貴女の苦しみに比べれば。僕の過去なんて..っ..』
頬に温もりを感じて俯いていた顔を上げると、レイラさんの手が優しく頬を撫でてくれていた
『...アズさんはいっぱい努力して、凄いユニーク魔法も使いこなしてる。いつも冷静にモストロ・ラウンジのお仕事してるところとか、カッコよくて好きだよ。今日みたいに甘えてくれるのも好きだけど』
アズール『そ、そうですか..//』
『頑張ってるアズさん、好き』
アズール『っ...嬉しい、です..』
『泣かないで..』
アズール『え..?ぁ...いつの間に..』
彼女がそう言って指で目元を拭ってくれるまで、僕は自分が涙を流していることに気がつかなかった
アズール『いけませんね..どうも最近の僕は不安定だ』
『気を張ってたんだね。あ、目擦っちゃダメ..今タオル持ってくるよ..』
アズール『待ってください..っ..』
『アズさん..?』
アズール『...好きです..レイラさん。僕は貴女が..好きなんです』
僕に背を向けて立ち去ろうとする彼女に手を伸ばして後ろから小さな体を抱き締め、柔らかい髪に顔を埋める
ああ、何て変なタイミングで言ってしまったんでしょう。気がつけば口と体が動いた後だった..もうこれは腹を括るしかないようですね
『アズさん..』
アズール『入学式で一目見たときから貴女が好きです。寮でお会いした時、本当に嬉しかった。泣いていた貴女があそこで笑顔になってくれて、また好きになって、その笑顔を隣でずっと見られたらと..』
『一緒にいたいって思ってくれたんだ..嬉しい』