第6章 *不本意トラベル*
〔No side〕
デュース『はぁ...はぁ...』
エース『やっ...た?』
グリム『か、勝った...オレ様達が勝ったんだゾ!』
デュース『よっしゃあ!!』
エース『やったぁぁ!』
グリム『勝利のハイタッチなんだゾ!!』
『『『イエーッ!!』』』
遂に怪物を倒すことに成功したエース達は、喜びの笑みでハイタッチを交わした
ユウ『みんなすっかり仲良しだね』
デュース『...あっ、ち、違う!別にこれは、そういうんじゃない!』
エース『そ、そーそー!変なこと言わないでくんない?』
グリム『オ、オレ様が大天才だから勝てたんだゾ!力を合わせたから勝てたんじゃないんだゾ!』
エース『って、言い訳すんのもダサイか。悔しいけどユウの作戦勝ち、かな』
デュース『...あぁ。ユウが落ち着いて指示を出してくれたから、こうして魔法石を手に入れられた。これで退学させられずに済む...本当に良かった』
エース『ってそれよりレイラ、大丈夫か!?』
『ん...大丈夫...ぃっ』
立ち上がろうとした瞬間、足の傷が痛みグラッと体が傾く
ユウ『こら、無理しちゃダメ』
エース『レイラの怪我が心配だ。オレらもクッタクタのボロボロだし、早く帰ろうぜ』
グリム『いっぱい魔法使ったら腹が減ったんだゾ...ン?コレなんだ?』
ふとグリムが視線を落とすと、キラッと鈍い光が地面に光り、そこには黒曜石のような塊が落ちていた
デュース『さっきのバケモノの残骸か?魔法石...?いや、でもこんな石炭のように真っ黒な石は見たことがない』
グリム『クンクン...なんだかコレ、すげー良い匂いがするんだゾ』
エース『嘘だぁ!?』
グリム『アイツが隠し持ってた飴ちゃんかもしれねーんだゾ!うぅ~っ、我慢できない!いただきまーす!』
石を目の前に、爛々と瞳を輝かせながら、なんとグリムはその石を口に放り込んだ
『食べちゃった...』
グリム『う"っっっっ!!』
デュース『おい、大丈夫か!?』
エース『あーあ、そんなもん拾い食いするから~』