第36章 *閑話カームデイ7 ~アズール~* 注:裏表現
オンボロ寮
ユウ『レイラがまたお泊まり..しかもオクタヴィネルなんてそんな危険極まりないところに..』
アズール『失礼ですね。オクタヴィネル程安全で居心地のいい寮はありませんよ』
『..準備できたよ』
ユウ『レイラ、変なことされそうになったらすぐ帰ってくるんだよ!』
アズール『貴方じゃないんですからそんなことしませんよ..ええ、勿論』
ユウ『全っ然信用できません..』
全く..ユウさんはレイラさんに対して過保護というか独占欲が強いというか..ともかく一番の強敵ですね。いつも彼女と一緒に寝食を共にできるんですから、たまには僕たちにも譲ってくださいよ
アズール『では参りましょうレイラさん。ふふ、良い夜を過ごせそうです』
悔しげに顔を歪ませるユウさんに見せつけるようにレイラさんの手をとり、ニヤリと笑みを残してオンボロ寮を出ていった
ユウ『..レオナ先輩に頼んであの人のことタコの唐揚げにしてもらおう』
オクタヴィネル寮・アズールの部屋
アズール『どうぞ』
『お邪魔します..わぁ..本がいっぱい』
彼女は僕の部屋に入ると、周りを見回して棚にびっしり陳列する本に興味津々といった様子で見つめていた
アズール『本はお好きですか?』
『ん..おうちでよく読んでた。あ、これ知ってるよ。好きなお話』
アズール『それは僕も好きですよ。主人公が純粋な善意で人を助けていると思いきや、実は全て自分の目的のために自分で仕組んで自分で解決して人からの信頼を集めていたという..』
『んふふ..アズさんみたい』
アズール『何を言うんですか。僕はその主人公とは違って100%善意ですよ?』
『悪い顔してるのにそれ言う..?』
アズール『....』
『....』
『『ふ、ふふ..ふふふ...』』
なんだかおかしくなって二人で笑い合うと、穏やかな空気が辺りを包んで、胸が温かくなるような心地がする。ああ、彼女と共にいるとこんなにも心地が良いのか..
アズール『..ああもうこんな時間だ。レイラさん、どうぞ今夜はこの部屋のバスルームをお使いください』
『いいの?でもシャンプーとか使っちゃうよ?』