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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第36章 *閑話カームデイ7 ~アズール~* 注:裏表現





〔アズール〕






僕は彼女が好きだ..



どうしようもないほどに好きだ..







入学式で初めて彼女を目にしたときから僕は惹かれていた。これが一目惚れというものか..きっと他の男で同じく惹かれたやつも多いだろう


だが学年も寮も違う僕は普段彼女に会うことは滅多にない。出来ても廊下ですれ違うだけ、もしくは遠くの校舎からたまたま見つけた時だけだ





ある日、訪れた契約者の中に写真が趣味の生徒がいて、僕はそいつのやらかした事を揉み消す代わりに、彼女の写真を対価に要求した


そいつは思ったよりも優秀で、もらった写真には彼女の花が咲いたような愛らしい笑顔がしっかり写っていた


これは僕の宝物だ..そう思っていつも懐に忍ばせて今でも大事に持っている


今思えばとんでもなく犯罪者のようなことをしてるが..これは彼女には言えないな、うん







オクタヴィネルで初めて彼女と面と向かって会ったあの日。忘れもしない..泣きながら震える手で僕の手をとってくれた彼女を連れていって、ラウンジを見た瞬間に目をキラキラさせながら"キレイ"だと言ってくれた


自分のことではないのにあの時は本当に嬉しくて、結局少しの間しか関われなかったが、その日の僕には充分だった





だけど僕は欲深い男だった..あれだけでは足りない..もっと彼女が知りたい..


その一心で僕は過去に読んだ文献の中で、彼女が特殊な能力を持つという"黒ウサギ"ではないかという可能性に気づき、必死で文献を読み返した


更に契約者達の中に彼女の情報を知ってるものが少しでもいないかと、情報収集に没頭した


するとハーツラビュルの生徒から、彼女について僅かながら知っているものがいた


どうやら彼は、寮長であるリドルさんが夜中談話室で副寮長のトレイさんとその事について話しているのを偶然立ち聞きしたらしく、僕はそこで彼女について色々知ることができた



本当の親に暴力を受け..そして恐らく捨てられたという過去。今の親の過保護が災いし、一人で行動することができず他者の側にいないと何も出来ない事に悩んでいること


自らの過去を恐れ、一人で何も出来ない自分に悩む



少し..僕と似ている..



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