第35章 *閑話カームデイ6 ~ラギー~* 注:裏表現
〔ラギー〕
今日も今日とてレオナさんに雑用を押し付けられてこなす休日。まぁ、慣れてるし報酬もあるから良いんすけど、さすがに疲れた
やっとのことで終わらせてどっかで休憩しようと思った矢先にグリムくんに捕まる始末
あーついてねぇ
でもグリムくんからレイラちゃんに何かあったって話を聞いた瞬間そんなもんどうでもよくなって、とにかく走って中庭にいるレイラちゃんに会いに行った
そしたらこれっすよ...
甘くてそそる匂い。レオナさんから聞いた黒ウサギの匂いとは少し違っていて、でもこれはオレもよく知ってる匂い
発情期の雌の匂いだ...
オレたち獣人は人間でありながら獣の本能ってもんも強く備わってる種族だ。だから当然発情期ってものも存在する
発情期の雄は大体1年ごとの決まった特定の季節に発情期になって、周りに発情した雌あるいは番がいないときは自分で処理して終わるんすけど、発情期の雌はそうもいかない
子孫を残すため雄より欲情する強さが高く、周期の1年の内不規則に何度も起こる。それに一人じゃ対処できないやつもいる。その中で一番厄介なのが
雌の匂いが、発情していない雄をほぼ強制的に発情させるように誘発する場合がある
まあ大体の雌は市販の薬を使って対処してるけど、この子はそんなの知らないだろうし薬も飲んでないのは分かってる
だから、今一番質が悪い
『はぁっ..//ラギさ..っ..』
ラギー『レイラちゃん。発情期起こすの、初めてっすか?』
やばい。今は冷静に話せてるけど、正直匂いにあてられてツラい...っ
『ん...ぁっ..わかんな..っ..//』
恐らく初めてっすね。何も分かってないって顔してる
とりあえずここから移動させた方が良い。オレ以外に匂いにつられて他のやつが理性なくして寄ってくるかもしれない
ラギ『移動するっすよ』
グリム『どこに連れてくんだゾ!?』
ラギ『..オンボロ寮。レイラちゃん、失礼するっすよ』
『ひぁっ...//』
レイラちゃんに一言断りを入れて抱き上げると、触れただけでも感じたのか甘い声を出す
ラギー『っ..//グリムくん、ユウくんはどこっすか?』