第35章 *閑話カームデイ6 ~ラギー~* 注:裏表現
すると横から突然何者かがグリムの前を横切り、対応できずにそのまま真正面からぶつかった
反動でコロコロと後ろに転がったグリムは打ち付けた鼻を押さえて目の前の人物を睨み付けた
グリム『お前っ!オレ様によくも..って』
ラギー『ん?あれ、グリムくんっすか?小さすぎてぶつかったことにすら気づかなかったっす』
グリム『にゃに~!!じゃなくて、この際お前でも良いんだゾ!ラギー、ちょっと一緒に来い!』
ラギー『え~何でっすか?オレようやく今レオナさんの雑用終わらせて休憩しようと思ってたのに』
グリム『良いから来るんだゾ!レイラが変なんだ!』
ラギー『!!』
レイラの名前が上がった瞬間、ラギーは耳をピンと立て先程まで嫌そうにしていた顔をキッと真剣なものへと変えた
ラギー『レイラちゃんが?何かあったんすか?』
グリム『説明してる暇ないんだゾ!いいから着いてこい!』
ラギー『了解っ!』
ラギーは来た道を急いで戻るグリムの後を追ってメインストリートを駆け抜けた
中庭
一方レイラはグリムの言いつけ通り中庭の隅の木陰に身を潜め、いまだに熱さを増していく己の体を掻き抱くように抱き締めて蹲っていた
『っは..ん..はぁっ..//なに、これ..んっ..』
自分の中の意思とは関係なく発熱する体、そして脳内を駆け巡る快楽を求める本能にどうしようもなく、ただ荒く息をはいて待つことしかできなかった
『んぁっ..//どうしよ..気持ちいいことしたい..//』
グリム『お~~い、レイラ~~っ!!』
『っ、グリム..っ!』
遠くからグリムの自分の名を叫ぶ声が聞こえ、出来るだけ大きな声で返すと、届いたのか足音が近づいてくるのが分かった
グリム『いたっ!おいラギーこっちなんだゾ!』
ラギー『レイラちゃん!』
『ぁ..ラギ..さ..っぁ..//』
ラギー『大丈夫っすか!?一体何が..っ..//この匂い..っ』
ラギーはレイラに近づいた瞬間、寒気にも似た感覚に身震いした。そしてこの匂いの正体と、レイラの容態が何なのかが一瞬で分かった
ラギー『レイラちゃん..まさかキミ..発情、してるんすか?』