第35章 *閑話カームデイ6 ~ラギー~* 注:裏表現
突然ユウの体は何かに後ろから引っ張られるようにベッドから吹き飛ばされ、床を転がるように滑った
ユウ『え?な、なに..!?』
グリム『..んなっ!?何の音なんだゾ!?』
ユウの派手に転がった音に飛び起きたグリムは、慌てて辺りを見回した
ユウ『あれは..』
そこにはレイラとユウを隔てるように、闇の手がウゾウゾと蠢めいていた
ユウ『レイラの魔法の..って、ペンなしに発動したら負担がかかっちゃうよ!』
『ぅぅ...』
マジカルペンを持たずに魔法を使ったことにユウはブロットのことを心配して近寄ろうとするが、レイラは自身の体を抱き締めながらユウを睨み付けていた
ユウ『え、レイラ..?どうしたの?どこか...あ..』
はっと自分が何をしたのかを思い出したユウは、サアーッと血の気が引くのを感じた
ユウ『ご、ごめん..レイラ..これは、その..』
『っ..ユウのバカっ!!』
涙目になりながらバンッ!と勢いよく部屋を出ていき、二階へとかけ上がっていった
グリム『..お前、何したんだゾ..』
ユウ『..やらかした..』
エース『そりゃ怒るだろ。あいつだっていつもそういうことしたいって思ってるわけねぇじゃん』
デュース『ただでさえも眠っているところを邪魔されたわけだし、しかもこの前のオクタヴィネルでの疲れも溜まっているだろうから余計に機嫌は悪くなるな』
トレイ『男として気持ちは分からんでもないけど。今回は反省だな』
ユウ『はい..』
エース『そんで、そのあと一回も話してないわけ?』
ユウ『うん..二階の部屋に引きこもっちゃって。何度か謝りに声かけたんだけど..』
エース『無視されまくって、居心地悪くなって逃げてきたと』
ユウ『うん..』
『『『はぁ~~~..』』』
デュース『にしても珍しいな。前にレイラの匂いにはだいぶ慣れたと言っていただろう?なのにどうして』
ユウ『う~ん。今日嗅いだ匂い、なんか若干いつもと違ってたような気がするんだよね。甘くて良い匂いなのは一緒なんだけど..なんか、気分的に?』
トレイ『..まぁ、暫くここでレイラの気が落ち着くまで待ってるのが一番だな』