第6章 *不本意トラベル*
デュース『ええっと、重たいもの!?い、いでよ!大釜っ!あとは、えーっとえーっと、大釜っ!?それから大釜っ!!』
『まさかの大釜三連続』
ユウ『でも効いてるみたい!魔法石はとったね?』
グリム『ずらかるんだゾ!!』
エース『了解!』
?『オ"レ"ノ"ダァアアアア!!!』
怪物の声が響く中、五人は必死に鉱山を抜け静寂の森へと逃げていった
ドワーフ鉱山・静寂の森
エース『嘘だろ!?あんだけの重しを全部押し退けて追っかけてきた!』
?『ゥゥゥ....イジ...カエセェエエエ!!』
デュース『クソッ!このままじゃ追い付かれる!』
ユウ『でもだいぶ弱ってる!今なら!』
エース『あーっ!もぉ!やったろーじゃん!チビんじゃねーぞ!真面目クン!』
デュース『お前こそ!』
グリム『オレ様の真の力、見せてやるんだゾ!』
『私も、頑張る』
ブワッ!と吹き出した青い炎を背に、四人の怪物との戦いが始まった
エース『よしっ!だいぶこっちが押してるぞ!』
デュース『あともう少しだ!』
エース『これならいける!』
いくら強大な怪物とはいえども多勢に無勢。どんどん追い詰められていく怪物に、誰もが勝てる!そう思った瞬間、突然怪物の動きが素早くなり拳を地面に叩きつけた
?『ォォオオァアアア!!』
ドォォォンッ!!
すさまじい衝撃と土埃で、四人の体勢が崩れる。グリムに至っては吹っ飛ばされる始末
グリム『ふにゃぁああ!!?』
エース『おわっ!!なんだこれ!』
デュース『っ!最後のあがきというわけか!?っ、エース!!』
エース『はっ!?えっ...!!』
気を取られていたエースの目の前には、怪物が迫っており、そして大きく拳を振り上げていた
エース『(やべっ!避けらんねぇ!!)』
突然の事にエースは動けず、ただ振り降ろされる拳の衝撃に耐えるために固く目を閉じるしかなかった
ゴッ!!!
エース『..っ...え...』
しかし、エースに来るはずの衝撃は来ることはなく、代わりに鈍い音だけが聞こえた
目を開けたエースの目に飛び込んできたのは、レイラが自分を守るように前に飛び出し、怪物の拳を受けて斜め後ろへ吹き飛ばされる光景だった