第32章 *抹消パスト*

アズール『同級生の卒業アルバムから写真屋のくせにフィルムまで..昔の写真は全て取引で巻き上げ抹消したんですが..博物館に飾られたこの一枚だけがどうしても合法的に処理できずにいたんです』


グリム『だからって、他人の手を汚させようとするんじゃねーんだゾ！』


フロイド『別にいいじゃん。オレ、この頃のアズール好きだけどな』


指で優しく写真をなぞるフロイドはいつもよりも穏やかな顔をしていた。だが、次の瞬間にはニヤリと笑い始める


フロイド『今より食べでがありそうだし』


アズール『そういう問題ではないんですよ！』


『今のアズさんになるのに頑張ったんだね。いい子いい子』


優しくサラサラの銀髪を撫でてやると、涙目の状態で抱きつかれ胸に顔を埋められる


『『『あ"っ！？！？』』』


アズール『..ううっ、もう嫌だ。今すぐ蛸壺に引きこもりたい』


グリグリと甘えるように擦りつくアズールを引き離そうとはせず、優しく頭を抱き締めるように包み込み、何度も"頑張ったね""えらいね"とあやしていた


エース『ちょっと！！加害者のくせにオレら差し置いて何良い思いしてんの！？離れろよ！！』


デュース『僕らだってまだ満足に触れられていないのに..』


レオナ『マジでタコの唐揚げにしてやろうか』


ラギー『いいっすね、今日の晩飯っすか？』


ジェイド『おやおや怖いですね。ですが、作る際にはお手伝いいたしますよ』


フロイド『わぁ～アズール、超クリオネちゃんに甘えてんじゃん。オレもぎゅってしたい』


ユウ『おあ"ぁぁぁぁ～～！！』


ジャック『ユウは人間の言葉すら喋らなくなったぞ。トレイン先生の猫みたいな声だすな』





『みんな』


嫉妬と羨望で阿鼻叫喚になりかけた空気がレイラの一言でピタッと鳴り止んだ


『アズさんをいじめちゃダメ』


エース『...ったくよぉ、何でお前はそう毎度自分に危害加えたやつをそう甘やかすんだよ』


『甘やかしてないもん。どの人もいっぱい重たいもの抱えてたから..それを少しでも軽くしたいだけ』


ユウ『そうやってレイラ信者が増えてくんだけどね』


エース『信者？』


ユウ『何でもない』