第32章 *抹消パスト*
レオナ『だから、お前らが言ったんだろうが』
ラギー『エレメンタリースクールの集合写真..っすかね?何でこんなのが欲しかったんすか?』
するとフロイドは目を細めて懐かしそうに笑い始める
フロイド『あっは、懐かしい!これ、オレたちが遠足の時に撮った写真だよね。ここに、オレとジェイドも写ってる。そんで..』
沢山の人魚の子供達の内、どこか二人に面影のあるの人魚を指差していき、そのまま指を写真の隅へと滑らせる
フロイド『一番隅っこに写ってるのが、昔のアズール!』
『『『えっ!?!?』』』
アズール『うわあああああ!!やめろ!!見るな!見ないでください!!』
『ふふ..やっぱり』
ガバッと起き上がり写真を取り上げようと手をバタバタさせるアズールの手を掴み、ジェイドはニッコリと微笑む
ジェイド『おやおやアズール、急に元気ですね。もう少し寝ていては?ここまで来たら、諦めた方が気が楽ですよ』
エース『どれどれ?』
レオナ『隅って..』
ラギー『もしかして、控えに見ても他の人魚の2倍くらい横幅ありそうなこのタコ足の子供..』
グリム『アズール、オメー昔こんなに丸々と太ってたのか!』
ユウ『あはは、そういうことね..』
『でもまんまるアズさんも可愛いよ?』
アズール『あぁぁぁぁぁぁぁ...っ!!』
相当見られたくなかったのか、アズールは頭を抱えてその場に蹲るように体を丸める
デュース『そ、その気持ち、僕にはよく分かるぞ。誰にだって消したい過去はある!僕は何も見なかった!みんなも忘れてやれ!』
ジャック『お前、やたら真に迫ってるな』
『でも多分誰も忘れないと思うよ..』
アズール『くそぉ...っ!モストロ・ラウンジの店舗拡大と、黒歴史抹消を同時に叶える..完璧な計画だと思ってたのに~~っ!』
ラギー『二兎追うものは一兎も得ずってやつっすね』
『ウサギ?』
ラギー『あ、でもアズールくんの場合、三兎追ってたっすね』
レオナ『その三兎目は俺のものだ。タコ野郎のくせに手、出してんじゃねぇよ』
ラギー『いやいや、あんたのものでもないっすからね』
『????』
ジャック『アズールはお前のことも狙ってただろうが。忘れてんなよ』
『あ、そうだった..』