第32章 *抹消パスト*
『っ..ぅっ...ひっ..く...ぅぇぇぇっ...』
[やれやレ、僕を引っ込ませるほどの抵抗力と精神力があるから、何だと思ったけド..結局傷ついて泣いてたんだネ]
『ぅっ...いたいっ...いたいよ...っ...』
[本当の両親に捨てられ、売られ、知らない人間達に暴力をふるわレ..あの後の君がどうなったか、知りたくないかイ?]
『ゃっ...もう...ゃ...ぐすっ...なにもみたくないっ..かえりたい..ユウたちのところに...』
[君の周りは傷つける人でいっぱいなんダ。それでも彼らの元へ帰りたいのかイ?彼らも君も傷つけるヨ?]
『ちがう...っ...ユウたちは..そんなことしない』
[確証はないはずダ。今は甘い顔して近づいてるだけで、その内見捨てて遠くに行ってしまうサ。君の両親にようニ]
『ちがうっ...ちがうっ..!!』
[赤い彼も言ってただロ?君は呪われた忌み子なんダ。そんな君を心から愛してくれる存在なんてこの世にはいないんだヨ]
『ゃ...やめて...っ...もうやめてっ...』
ユウ『レイラっ!!』
『っ...!』
[おっト、君のお友達だネ..こんなところまで干渉出来るなんてびっくりびっくり]
『ユウ...?ユウ...っ!』
[お目覚めの時間ダ。でも僕の言ったことを、どうか忘れないデ..]
『っは....はぁっ..はぁっ..』
ユウ『レイラっ!良かった、目を覚まして』
グリム『こんにゃろ~..心配させやがって~..』
泣きながら首元に抱きついてくるグリムをおぼつかない手で撫でると、スリスリと強く擦りつかれる
『私...』
ジェイド『ご気分はいかがです?とても魘されていたので心配していたんですよ。体、起こしますね』
『ジェイさん..ありがと』
ジェイドゆっくりと体を起こされると、視界いっぱいにエース達の安堵の顔が広がった
エース『レイラ、大丈夫か?』
『..ん..平気。ちょっと疲れた』
エース『そう、だよな...ごめん、またあいつを』
『大丈夫..すぐ..いなく、なった..っから..っ』