第31章 *動転ヒステリック*
『お願い...っ..助けて...お母さん!お父さん!』
?『これでようやくあの忌み子から解放されるわ』
?『そいつは好きにしていいから、二度と俺達の前に現れないようにしてくれ。穢らわしい..』
『ぃゃっ...置いていかないでっ!!一人にしないで!!』
?『逃げんなよ!そろそろ受け取りの時間だからな、こっちに来い!!』
『ゃ...っ!!いやっ!!助けてっ!!いやぁぁぁ!!』
耳を塞ぎたくなるくらいの私の叫び声...
今殴られてないのに、身体中から痛みが走って涙が出てくる
痛い...痛い..
悲しい...悲しい..
酷いよ..お母さん、お父さん。
私は..私は
好きで黒兎に生まれたわけじゃないのに...
なんで...なんで黒兎だとダメなの?周りを滅ぼす力を持ってるから?人を従わせる力を持ってるから?
ねぇ、どうしたらお母さん達は私を...
好きになってくれる...?
愛してくれる...?
〔No side〕
アズール『レイラさん...?』
腕の中のレイラが力をなくしてぐったりと寄りかかっていることに気づいたアズールは、能力の吸い取りを中断して呼び掛けるが、ぴくりとも反応はなかった
アズール『っ...!!レイラさん!?まさか...ぼ、僕が...』
『[残念。まだ生きてるよ]』
アズール『!!良かった...レイラさ...っ!!』
最悪の事態を想像していたアズールはレイラの声に安堵の顔を見せるがすぐに絶望へと落ちた
『[あはは!どうしたの?]』
アズール『あ...ああ...』
『[ん~分かっちゃうのかな?僕が君の大好きなウサギちゃんじゃないことが]』
アズール『あ、貴方は...だ、誰ですか?』
アズールは足と腕を解いてレイラから一気に距離をとる。不安定に揺れるアズールの心に反応して黒いモヤが徐々に晴れていく
『[さぁ?誰だろうね?]』
アズール『[こ、来ないで..くださ..っぁぁああ!!]』