第31章 *動転ヒステリック*
エース『げっ!!』
デュース『バカか!気を逸らすのにレイラの名前を叫ぶなんて...あ..』
ジャック『お前ら二人ともバカだろ』
アズール『ぁぁぁ..あはははははは!そうだ..彼女の力が僕は欲しかったんだ..あの強大な力があれば..僕は..僕は!!』
ぐるりとエース達からレイラへと標的を変えるとゆらゆら揺れながら迫っていく
グリム『あいつレイラの方へ行っちまうんだゾ!』
ジェイド『させません!』
防壁魔法を解くと急いでアズールとレイラの間に立ちはだかる
アズール『邪魔をするな...彼女の力は僕のものだぁぁぁ!』
ブワァァァァァ!!
アズールの叫びに呼応して化身の足元から黒いモヤが一気に広がりエース達の視界を覆い始める
エース『げほっ!げほっ!なに、これ!』
デュース『何も見えない!!』
フロイド『これ墨じゃねぇわ..ドロっとしてねぇし』
ラギー『いてっ!迂闊に動くと危ないっすよ!』
エース『ちょ、レイラっ!..レイラっ!』
『ユウ..』
ユウ『大丈夫..ここにいるよ』
黒いモヤで視界が悪い中、レイラとユウは離れないように互いに寄り添っていた。遠くから聞こえるエースの自分を呼ぶ声に反応したくても出来ずにいた
『エース..ごめん』
ユウ『アズール先輩に居場所がバレちゃうからね。ゆっくりと声の方に行こっか』
そろそろと一歩ずつ進んでいると、突然足に何かが当たり対処できずにその場で転んでしまった
『いっ...!!』
ユウ『レイラ!?どこ..っわ!!』
離れてしまったレイラを探そうと後ろを振り返るが、長いものが腰に巻き付きグンッと飛ばされる
『ユウ..!?...どうしよ..何も..』
暗闇に手を伸ばしさ迷わせると、ふと現れた手がその手を取る
思わずホッとしてその手にすがり引き寄せられるままに近づくと、目の前に青黒い炎が妖しく揺らめいた
アズール『捕まえましたよレイラさん』
『っ!!??』